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適材適所の夢をみる。

人事にとって「適材適所」は夢です。
みんなの持ち前が抜群に発揮され、組織に貢献している手応えがある。みんながイキイキと働け、阿吽の呼吸で仕事が進み、自己効力感も高まる。
そんな人事配置は理想です。

「適材適所」、よく聞きます。あるべき姿なのでしょう。
しかし、難しいです。
適材適所をはばむ壁がいろいろあります。

・「できる」と「やりたい」は違う。
・「スキル」と「人間性」は違う。
・「強み」と「弱み」をもつ。
・「ポテンシャル」は「本人」にもわからない。
・「人間関係(社内政治含む)」が存在する。
・配置・コストに限りがある。
・能力がやる気に左右されがち。
・ピーターの法則(人はその能力の限界に達するまで昇進し、最終的には無能なポジションに留まる)。

加えて採用の難しさがあります。
一般的な採用フローは書類選考、適性検査、面接です。40代以上なら仕事の構えは、ほぼ決まっていると思いますが、この採用フローでは、良い意味でも、悪い意味でも、可能性の塊である若年層を見抜けるかというと、正直、無理だと思います……。

最近はMVVへの共感度を選考基準にしているところもあり、これは価値観のミスマッチを防止することに効果的だと感じます。またインターンを活用して働く姿をみるのも効果的です。従業員の教える姿をみることで、いろんなこともわかりますし……。

社内で偉い人はプロのスポーツチームを例にあげ、組織を語ることがあります。しかし、プロのスポーツチームとは背景が大きく違います。

・目標、目的(ゴール)が整っていて、方向が同じ人の集まり。
・適所(ポジション)の定義があり、かつ適材(求めること)が狭い。
・そもそもモチベーションが高い。

そして、最大の違いは「人の入替えが前提にある」です。適材適所を実現するには、これくらいの背景がないと難しいかもしれません。

ジョブ型雇用はこれに近い考え方ですが、会社に要件定義の高度なスキルが必要で、ある程度以上の規模感がないと難しい制度です。

「適材適所」は夢です。
しかし、難しいです。

しかし、「収まるところに収まる」というふうにもできています。
「緊急時」にはポテンシャルが発揮されることも多いです。
「平常時」の態度で仕事の構えがわかってきます。
「暇な時」の言動で仕事観が見えてきます。

優れたリーダーは、メンバーを成長させます。規範を示します。

「適材適所」は時間がかかるかもしれません。
しかし、叶わない夢でもないはずです。

嫌な顔をされるかもしれませんが、できる工夫はたくさんあります。
「適材適所」を夢みて、工夫のかぎりをつくしてみてはいかがでしょう。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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