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📘 本カバー必須!?【人望が集まる人の考え方】読書感想

「人望が集まる人の考え方」
自意識過剰ですが、電車の中で読むには少し恥ずかしいタイトルです。このような直接的な強いタイトルは最近の本に多いと感じますが、本書の原書は1956年刊行であり、時の洗礼を受けた本になります。
D・カーネギー著【人を動かす】と並ぶ名著といわれています。
ちなみに原題は「How to Have Confidence and Power in Dealing with People」であり、翻訳すると「人と接する際に自信と力を持つ方法」となります。

“自分が求めているものを手に入れる唯一の正攻法は、
正しい人間関係の技術をしっかりマスターすることである”

本書では小手先のテクニックではなく、
人間の本性に対する理解にもとづく
「基本原理」を紹介しています。

著書累計500万部を突破した著者による、
カーネギー『人を動かす』と並ぶ世界的名著です。

【人望が集まる人の考え方】Amazon解説より引用

本書は最初にこう云います。

現実を直視しよう。
すべての人が他人に何かを求めている。誰ものが相手に好意を求め、自分を受け入れて認めてほしいと思っている。(p.1)

よい人間関係とは、自分が求めているものを手に入れるのと引き換えに、相手が求めているものを与えることだ。(p.4)

レス・ギブリン. 人望が集まる人の考え方. ディスカヴァー, 2016, 239p

本書の前に、D・カーネギー著【人を動かす】を2回は読んでいましたが、「自己の重要感」「重要人物たらんとする欲求」を強く意識したのは本書のおかげです。

一般に、幸福な人は不幸な人より多くの幸福を振りまくし、成功者は失敗者より多くの恩恵を周囲の人にもたらす。(p.6)

人間の習性をよく理解して初めて、成功と幸福を手に入れるきっかけをつかむことができる。(p.6)

人間の習性はやっかいなものではなく、むしろ理にかなったものである。あなたはそれを知って、驚くと同時に安心するに違いない。(p.7)

レス・ギブリン. 人望が集まる人の考え方. ディスカヴァー, 2016, 239p

個人の時代、多様性、といわれる現代ですが、人間の習性は「大昔から現代まで一貫(p.8)」と著者は云います。その習性を理解し、具体的な応用方法が書いてあります。

5パート全14章、トピックスは細かくわかれており、読みやすい本です。

Part 1 人間の習性をうまく活用する
第1章 成功と幸福を手に入れる方法
第2章 人を動かす基本的な秘訣
第3章 自分の「隠れ資産」を有効に使う方法
第4章 他人の行動と態度をコントロールする方法
第5章 相手によい第一印象を与える方法

Part 2 友情をはぐくんで相手を味方につける
第6章 人々をひきつける3つの条件
第7章 相手とすぐに打ち解ける方法

Part 3 効果的な話し方で成功する
第8章 言葉で表現する能力を磨く方法
第9章 聞き上手になる方法
第10章 たちまち相手の賛同を得る方法

Part 4 人々にうまく働きかける
第11章 相手の全面協力を得て成果を上げる方法
第12章 人間関係で奇跡を起こす方法
第13章 相手を怒らせずに注意を与える方法

Part 5 人間関係のワークブック
第14章 成功と幸福をもたらす効果的な行動計画

レス・ギブリン. 人望が集まる人の考え方. ディスカヴァー, 2016, 239p 目次より引用

全体を通して「自己の重要感」「重要人物たらんとする欲求」「自己保存の衝動」を尊重し、傷つけないテクニックがのっています。しかし人間の習性を正しく理解せずに小手先のテクニックに走ることは推奨していません。

自己重要感、自己肯定感、重要人物たらんとする欲求は、自分自身ではあまり意識していないかもしれません。この欲求が自分自身の中にも存在しているという認識のためにも一読をおすすめします。

約束の時間に遅れる、事後説明、議論、話をさえぎる……。簡単に相手を軽んじることをしています。自分としての「ちょっとくらい」は相手の「ありえない」かもしれません。そしてそれは概ね注意されません。そんなコトを頻繁にする人に注意すると、反論、言い訳をしてきます。非常に面倒です。しかし確実に相手の心にカゲをおとしています。

自分自身の言動の振り返り、相手を尊重するということが学べる本だと感じます。言動が変わり、習慣となり、身についたのなら、「人望が集まる人」になると思いました。

「自己重要感への欲求」を意識して観察すると、自分自身にも相手にも確かに存在していると感じます。そして根強い欲求です。

ブックカバーをかけずに読むのが恥ずかしいと感じるのは、まさに「バカにされたくない」という欲求だと思います。

人間の習性を本書で学んでみてはいかがでしょうか。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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