なぜ研究所は難しいことをやっているように見えるのか

とある国立研究開発法人で事務職員をしております。
社会人2年目の梨木齋と申します。
今は経理・契約課に所属しており、契約担当…簡単に言うとお買い物係をしています。

研究所のお買い物係な私ですが、大学時代は教育学部で小学校の環境教育を学んでいました。卒業時には小学校、中学(理科)、高校(理科)の教員免許を取得し、今でも教育関係の知り合いは多いです。

さて、タイトルにもした「研究所は難しいことをやっているように見えるのか」ということですが、端的に結論を言うならば「説明不足。」ということだと思います。

理科の教育学を学び、一般的な人よりも科学リテラシーが高いはずの自分でしたが、いざ研究所に就職してみると、なんの研究をしているのか、本質的な部分はぼんやりとしか分からずに1年目を過ごしていました。理科の中でも物理や化学といった、自分の中では苦手にしていた分野の研究をしていて理解を諦めていたせいもありました。

しかし、ふとしたきっかけで一つの研究内容を理解できたことで、研究所に対する解像度が一気に上がり、説明の方法次第で難しそうという壁をもっと薄くできることに気づきました。

研究者はどうしても高学歴の人が集まりがちです。
学生時代から頭の良い友人に囲まれて、
職場でもその分野の専門性の高い人ばかりと会話をします。
結果、何が起きるか。

常識のレベルが高くなります。

日常的に専門的なハイレベルな会話ができる環境にいることで、
その分野における常識が世の中の常識だという無意識の思い込みのもとで、
話を始めます。
施設公開や職場体験等で小学生や中学生、一般の人に
研究内容を説明する機会がありますが、
イオンやガンマ線、原子、電子あたりの知識はあって当然という前提のもとで
説明が始まります。

しかし、一般の人にとって、それらは日常的な言葉ではありません。
そのため、第一印象で「あ、なんか難しそう」と思われてしまい、
その瞬間、理解を諦められてしまいます。

学生時代、教育学を学び、小学校に教育実習へ行ったこともあるので、
研究所の研究内容でも、要点を絞って対話をすれば
小学生高学年から中学生くらいでも知的に楽しめるだろうと予測できます。
だからこそ、研究が魅力を損ない「難しそう」と敬遠されてしまうことに悲しみがあります。

どうすれば研究に親しみを持ってもらいやすいのか
試行錯誤して考えています。

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