シェア
走れば走るほど 外気と私の肺の空気が交換され およそ完全に入れ替わったかのように思える頃には 胸が痛く苦しくなって 粘膜に突き刺さる 冬の空気 静寂の中、 私の荒い息遣いだけが耳の内側から 響いている そんな 凍てつく夜に 私は独り あの日を思い出す
今の行いが意味を持つようになるのは 未来があるから 未来がなければ 今の行いなんて、無意味なんだ 今の行いは、 未来にのみ、 意味を持つ
羨むことの惨めさと 虚しさゆえの 愛くるしさよ
私の逆さまの世界では 今でも頭上にはまん丸のお月様 そして背中には白み滲んだ太陽 もっともっと黒くなれ 誰も明けることを望まない 逆さの世界