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冬は一生懸命でかわいい

夏はかわいくない。ぜーはーあちーーー💧とかかわいくない。

冬は、かわいいなあ。
さむいってすっぱい顔をしながら、もこもこと大荷物で、一生懸命歩くのが、かわいい。

電車もみんなギチギチにちぎりパンみたいで、ふわふわのマフラー、ほかほかの食べ物とか、ひっつきあって暖をとるとか、ぜんぶ、かわいくって愛おしい。

雪の中、キラキラした冬の曲を聞きながら、のんびりと歩いて登校した高校生の朝たちのことずっと忘れない。ふわふわのマフラーに耳を隠して、真っ白のかわいい手袋で、雪で遅刻しますとメールを打って、ゆっくり最寄り駅まで歩いた。遅刻するって決めた朝の、ゆったりと流れる時間の中で、自分の心が追いつくのを待つ時、自分も世界も大切で、全部が美しいと思える。

暖かいお布団も、かわいい。暖かいお布団、ブランケットって愛のかたまりで、寒くないかなとか、風邪ひいちゃう心配をするのとか、やわらかくてあたたかい、ゆるやかな愛だと思っている。

わたしの好きな曲に、
「今週は急に寒くなるってテレビで見た あたし心配よ風邪とか全部 知るはずないんだけど」
って歌詞があって。遠くにいるひとの風邪を心配しちゃうことに、人間の愛おしさを感じる。

人間って、寒いだけで風邪ひいちゃうくらい弱くて脆くて、そういうところが愛おしい、その弱くて脆い同士で支えあって生きているところも。
弱いが許される世界で生きてきた弱い人間がかわいいとされ愛されるなんてくやしいから、強い人間を追い続けたいと、高校生のわたしは言っていたけれど。人間の個々の性質、としてではなく、種族としての人間はどうしても弱くて、やっぱりそこが愛おしく儚い。


高校生のわたしの冬をキラキラさせてくれていた曲 すべてめありーさんのカバーです

風邪を心配する曲は、バンドじゃないもん!のPinHeelです。公式YouTubeのライブ映像の出だしのちゃんももの歌唱が良いのでぜひ


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