見出し画像

【読書レビュー①】秋吉理香子著 暗黒女子

この物語の全容が見えた時、驚愕の真実に震えてしまった。

【全体像】

聖母女子高等学院文学サークル
When:一学期最後
Who:サークルメンバー6名
Where:サークルサロン
What:第六十一回サークル定例会
Why:元部長白石いつみを誰が殺したか調べるため
How:短編小説形式で自分の見解を発表

【物語の構成】

「みなさん、今夜は嵐の中お集まりいただいてありがとう。」
と始まる現会長澄川小百合の始まりの挨拶からスタート。
ここで、定例会の目的・ルールが語られる。

目的:先週亡くなった元会長白石いつみの死因を探るため。
ルール:全部員が短編小説形式で各自の見解を発表

5名の部員と現会長澄川の小説朗読形式で、各自の見解が語られていく。
目録は以下の通り。
 1、開会のごあいさつ
 2、1年A組 二谷美礼 「居場所」
 3、2年B組 小南あかね 「マカロナージュ」
 4、留学生 ディアナ・デチェヴァ 「春のバルカン」
 5、3年B組 古賀園子 「ラミアーの宴」
 6、2年C組 高岡志夜 「天空神の去勢」
 7、会長 澄川小百合 「死者の呟き」
 8、閉会のごあいさつ
全部員の見解が1つになるとき、現れる真実。
「以上をもちまして、今学期最後の定例会を終了させていただきます。それではみさなま、ごきげんよう。」

【感想】

著者2作目。前回に読んだのは「聖母」。
これが非常に面白く、2作目を購入。
間が開いたが、ようやく読了。
部員全員が朗読するというスタイルが斬新。各々の目線により少しずつ全容が見えてくる形式。部員が部員を疑い暗黒な様相に包まれる。部員の朗読がすべての伏線となっており、最後の澄川小百合の朗読にて、すべて回収されるところが圧巻。この物語の全容が見えた時、驚愕の真実に震えてしまった。

【追加】

映画化もされており、映画化バージョンのカバーを入手。

画像1