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[勝手推敲]令和3年8月17日付 福井新聞 越山若水

原文

編集者として、そして翻訳家、作家として、さらに戦前、戦後を通じて、日本における子どもの本の発展に尽くした石井桃子さん。100年を超えたその生涯で残した功績は大きい
▼石井さんが最初の翻訳本で代表作でもある「クマのプーさん」(A・A・ミルン作)と出合ったのは1933年。政治家犬養健の邸宅で楽しい絵が描かれた原書を見つけた。当時小学生で後に評論家となる長女の道子さんから「読んで、読んで」と盛んにねだられた
▼もちろん作者も、登場人物クリストファー・ロビンも全く知らない。石井さんは暖炉のそばでページを開き、小さな読者に「ある日、プーは…」と語り始めた。すると自身が不思議な世界に引き込まれる感動を覚えた。その夜、本を借りて帰り夢中で読破したという
▼「本は友だち。一生の友だち。子ども時代に友だちになる本、そして大人になって友だちになる本。本の友だちは一生その人と共にある。こうして生涯話しあえる本と出あえた人は、仕あわせである」。石井さんが記した色紙である(「石井桃子のことば」新潮社)
▼夏休み、読書感想文の宿題が苦手だったという人は多い。現に残された日数が少なくなり、気持ちばかりが焦ってくる。しかし何げなく手にした一冊に、心を奪われ夢中になることもある。一生の友だちを見つけるため、まずページを開いてほしい。(2021年8月17日付 福井新聞 越山若水)

推敲後

編集者としてだけでなく翻訳家や作家として、戦前戦後を通じて日本における子どもの本の発展に尽くした石井桃子さん。100年を超えたその生涯で残した功績は大きい
▼石井さんが最初の翻訳本で代表作でもある「クマのプーさん」(A・A・ミルン作)と出合ったのは1933年。政治家・犬養健の邸宅で楽しい絵が描かれた原書を見つけた。当時小学生で後に評論家となる長女の道子さんから「読んで、読んで」と盛んにねだられた
▼作者や登場人物であるクリストファー・ロビンも全く知らない。石井さんは暖炉のそばでページを開き、小さな読者に「ある日、プーは…」と語り始めた。すると不思議な世界に自身が引き込まれる感動を覚えた。その夜、本を借りて帰ると夢中で読破したという
▼「本は友だち。一生の友だち。子ども時代に友だちになる本、そして大人になって友だちになる本。本の友だちは一生その人と共にある。こうして生涯話しあえる本と出あえた人は、仕あわせである」。石井さんが記した色紙である(「石井桃子のことば」新潮社)
▼夏休みといえば読書感想文の宿題が苦手だったという人は多い。残された日数が少なくなると気持ちばかりが焦ってくる。しかし何げなく手にした一冊に、心を奪われ夢中になることもある。一生の友だちを見つけるため、まずページを開いてほしい。

後記

編集者として、そして翻訳家、作家として、さらに戦前、戦後を通じて、日本における子どもの本の発展に尽くした石井桃子さん。

編集者としてだけでなく翻訳家や作家として、戦前戦後を通じて日本における子どもの本の発展に尽くした石井桃子さん。

やたらと読点が多いのが気になってしまいました。

もちろん作者も、登場人物クリストファー・ロビンも全く知らない。

作者や登場人物であるクリストファー・ロビンも全く知らない。

『もちろん』が必要かどうか。前段落に『出合ったのは』とあるので削っても支障はないとはんだんしました。

現に残された日数が少なくなり、気持ちばかりが焦ってくる。

残された日数が少なくなると気持ちばかりが焦ってくる。

意味合いが変わってしまうことを危惧しましたが『苦手』と『焦ってくる』に相関関係はないと考え『現に』は削除しました。

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https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1379507
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