「混乱は統率力の低下に」兵老則将威不行

兵老るればすなわち将の威行われず
―兵老則将威不行―

[原文](三略)
兵老則将威不行。

[書き下し文]
兵老るればすなわち将の威行われず。

[原文の語訳]
兵の動きが悪いと将軍の威厳は保たれない。

[解釈]
将軍がいくら威厳を発しても、制御不能な兵士の前では役に立たないということですが、これは指揮する将軍の統率力が低いがゆえに起こるということなのです。

頻繁に兵を動かそうすれば軍は疲弊します。そうなると勝てる戦いも勝ちきれなくなり、守るべきときも守れなくなります。戦果が出ないと兵士の士気も下がり、最終的には将軍の指揮する通りに動かせなくなる、つまり威厳が保てなくなるということになります。

部下がトップやリーダーの言動や指示内容に疑心暗鬼を抱いては力を存分に発揮することは困難になります。

トップは目標を明確にし、その戦略を部下に共有させる必要があります。その上で細かい戦術の意図までは伝えずとも、部下は上司と同じ目標を持って信頼していれば指示された作戦の実行に集中することができるのです。

あれこれと部下に次々割り振りをしながら、自らは一向に動かなかったり他事に出向いているようでは部下の信頼は薄れます。そうすると士気も下がって組織力も低下していくのです。

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