「気にしすぎて全体を見失う」謹毛而失貌
毛を謹みて貌を失う
―謹毛而失貌―
[原文](淮南子 説林訓)
謹毛而失貌。
[書き下し文]
毛を謹みて貌(かたち)を失う。
[原文の語訳]
毛を丁寧に描いているが顔が原型を失っている。
[解釈]
小さなことにこだわって根本を忘れてしまうということです。
「木を見て森を見ず」細部を気にしすぎて全体の見失ったり、偏向してバランスが崩れてしまってはいけません。
他の事に気を取られて肝心の仕事をおろそかにしないように気をつけないといけません。
一品一品の料理は素晴らしい出来なのに、盛り付けがイマイチだったり、出す順番を間違ってしまっては台無しです。
描画でも、全体としては何を描いているのか理解できなくても、近づいて目を凝らしてみると細かい所に手間を掛けているということがあります。
短所を長所と捉えようとすると、仕事が遅いのは実は一つ一つを丁寧にこなしているからかもしれません。書類でも何度も確認して修正しているから仕上がりが遅れているのかも。
できる人はその人の丁寧さを伸ばし、足りてない部分を上手く周りに配分することでバランスをとり、全体の底上げをすることができます。
私欲にかられて他事を疎かにしたり、意地を張って業務を停滞させるトップには困りものです。
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