[勝手推敲]令和3年9月4日 中日春秋

原文

自民党の総裁選は、現職が強いのが通例で、無風が多い。とはいえ選挙である。党員の声が風を吹かせることもある。現職でありながら敗れた福田赳夫氏が、「天の声にも変な声がたまにはある」の言葉を残したのは有名だ。世論も背景にした党員の「天の声」を、読み誤っていたという
▼菅義偉首相は総裁選が行われる前に、天の声を感じたようである。聞こえたのは人気低迷を背景に、強い風になりそうな、「変」を求める声、変わってほしいという声であろう
▼突然、総裁選への不出馬を表明した。理由について、コロナ対策と選挙活動の両立が難しくなったと説明している。党内の求心力と世の中からの信頼が衰え、政策を遂行するのが難しくなったという意味であろう
▼驚きの表明ではあっても、不出馬に対して、それはおかしいという声は、さほど大きくはなっていないようだ。コロナ対策や説明不足の発言が批判されてきたが、今回の決断に世の違和感は少ないか
▼体調の問題で降りなければならなかった安倍晋三氏のリリーフ役のように政権を担った人だ。退陣は長く続いた一つの時代の区切りにもなる。菅さんが候補者でなくなった総裁選はコロナ対策を担う新たな「先発」の候補を選ぶ場であろう
▼選挙の展開を読むのは、難しくなった。衆院選で示される民意とともに、重大な天の声が、聞こえる季節が来る。(2021年9月4日付 中日新聞 中日春秋)

推敲中

読点の修正が主です。

自民党の総裁選は、現職が強いのが通例で、無風が多い。
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自民党の総裁選は現職が強いのが通例で、無風が多い。

菅義偉首相は総裁選が行われる前に、天の声を感じたようである。
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菅義偉首相は、総裁選が行われる前に天の声を感じたようである。

『「変」を求める声』の後ろは、読点よりも文を区切ったほうがよいと考えました。

聞こえたのは人気低迷を背景に、強い風になりそうな、「変」を求める声、変わってほしいという声であろう
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聞こえたのは、人気低迷を背景に強い風になりそうな「変」を求める声。変わってほしいという声であろう

この読点はあったほうが読みやすいのかな。音読すると、ここで区切るのは調子が悪く感じます。

選挙の展開を読むのは、難しくなった。
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選挙の展開を読むのは難しくなった。

衆院選で示される民意とともに、重大な天の声が、聞こえる季節が来る。
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衆院選で示される民意とともに、重大な天の声が聞こえる季節が来る。

推敲後

自民党の総裁選は現職が強いのが通例で、無風が多い。とはいえ選挙である。党員の声が風を吹かせることもある。現職でありながら敗れた福田赳夫氏が、「天の声にも変な声がたまにはある」の言葉を残したのは有名だ。世論も背景にした党員の「天の声」を、読み誤っていたという
▼菅義偉首相は、総裁選が行われる前に天の声を感じたようである。聞こえたのは、人気低迷を背景に強い風になりそうな「変」を求める声。変わってほしいという声であろう
▼突然、総裁選への不出馬を表明した。理由について、コロナ対策と選挙活動の両立が難しくなったと説明している。党内の求心力と世の中からの信頼が衰え、政策を遂行するのが難しくなったという意味であろう
▼驚きの表明ではあっても、不出馬に対して、それはおかしいという声は、さほど大きくはなっていないようだ。コロナ対策や説明不足の発言が批判されてきたが、今回の決断に世の違和感は少ないか
▼体調の問題で降りなければならなかった安倍晋三氏のリリーフ役のように政権を担った人だ。退陣は長く続いた一つの時代の区切りにもなる。菅さんが候補者でなくなった総裁選はコロナ対策を担う新たな「先発」の候補を選ぶ場であろう
▼選挙の展開を読むのは難しくなった。衆院選で示される民意とともに、重大な天の声が聞こえる季節が来る。

後記

少し更新の間が空きました。
構成も原文と推敲後の間に『推敲中』をいれることにしました。

引用元

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中日春秋：中日新聞Web
https://www.chunichi.co.jp/article/323898?rct=syunju
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