「足元をみられないように」問鼎之軽重

鼎の軽重を問う
―問鼎之軽重―

[原文](春秋左氏伝 宣公三年)
楚子問鼎之大小輕重焉。

[書き下し文]
楚子鼎之大小輕重を問ふ。

[原文の語訳]
楚子(荘王)が(周王室の)鼎の重さを尋ねた。

[解釈]
功績を労いに来た使者に対して「自分もそろそろトップになってもよいのではないか?」とトップへの退陣要求を暗に問いかけたという故事からの四字熟語「問鼎軽重(もんていけいちょう)」の由来です。

権威ある人の実力を疑ったり統治者を軽んじてその地位を奪おうとする意味です。

向上心があるのは良いですが、自信家や野心家が実力の驕りから別の言い回しで口にすることもありそうです。特に酒宴の席で部下からのせられて思わず本音が出てしまいかねません。

自身がこんなことを言われるようでは足元をみられていることでもあるのです。

進退問題を表現するとき、話し言葉では使いにくいですが、書き言葉で使ってみると文章に厚みが出そうですね。「このまま成績が上がらないようでは若手に鼎の軽重を問われることになりそうだ」

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