「良い加減の思いやりを」清能有容、仁能善断

清にしてよく容るるあり、仁にしてよく断を善くす
―清能有容、仁能善断―

[原文](菜根譚 前集)
清能有容、仁能善断。明不傷察、直不過矯。是謂蜜餞不甜、海味不鹹、纔是懿徳。

[書き下し文]
清にしてよく容(い)るるあり、仁にしてよく断を善くす。明なるも察を傷つけず、直なるも矯に過ぎず。是れを蜜餞(みつせん)甜(あま)からず、海味(かいみ)鹹(から)からずと謂う。纔(わず)かに是れ懿徳(いとく)なり。

[原文の語訳]
清廉潔白であるとともに受容性があり、思いやりもあっても決断力に富んでいる。明晰でも批判的に人を傷つけることはせず、正直だが過度に矯正させようとはしない。これは甘い食べ物ほどまでは甘くなく、辛い食べ物ほど辛くはない。それでやっと美徳といえる。

[解釈]
できる人は枠から外れないが、極端に堅物でも軟弱でもなく、枠全体を上手く使いこなしバランスをとることができるのです。

清廉潔白、自分には厳しくても、相手には多少目を瞑れる思いやりを持てると良いですね。「己に厳しく他人に優しく」です。

少しでも曲がったことが嫌では息苦しいですし、過分に人を思いやりすぎると決断できない優柔不断になってしまいます。

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