「ほどほどがいい」花看半開、酒飲微酔

花は半開を看て、酒は微酔に飲む
―花看半開、酒飲微酔―

[原文](菜根譚)
花看半開、酒飲微酔。此中大佳趣。若至爛漫酕醄、便成悪境矣。履盈満者、宜思之。

[書き下し文]
花は半開を看て、酒は微酔に飲む。此の中(うち)に大いに佳趣有り。若し若至爛漫酕醄(らんまんぼうとう)に至らば、便(すなわ)ち悪境を成す。盈満(えいまん)を履(ふ)む者、宜しく之を思うべし。

[原文の語訳]
花は五分咲きの頃に鑑賞し、酒はほろ酔い程度に呑む。このような状態は趣がって良い。もし満開の花を観たりひどく酒に酔えば、見飽きたり見苦しいだけ。絶頂の地位にある者は、よく考えるべきである。

[解釈]
満開よりも五分咲き程度くらいが趣があるし、お酒もたしなむ程度のほうが味わいが深まるということです。

満開になってしまってはどこを観ても同じ景色で飽きてしまいますし、あとは散るだけ、泥酔するほど呑んでしまってはみっともないですよね。佳境を越してしまってはあとは落ち目となるだけです。

株取引で順調な人が次から次へと株を買い増し、「今日はこれだけ儲かった」などと利益を自慢するようでは反感を買ってしまいます。投資信託で毎月の配当を得たり、株主優待でも満足できるものです。

できる人は何事にも控えめで、少々足りない程度でも最適とし満足しているのです。少し余りがある方が伸びしろとなりますし、気持ちにも余裕が生まれます。

酒を呑んだ席で思いついたことを、権力を使ってトップダウンで主張し、頑として譲らずこだわり続けるトップには困りものです。周りも「またか」とやる気も失せてしまいます。

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