「気分に左右されない」不以同異為喜怒、不以喜怒為用舍

同異を以て喜怒を為さず、喜怒を以て用舍を為さず
―不以同異為喜怒、不以喜怒為用舍―

[原文](宋名臣言行録)
不以同異為喜怒、不以喜怒為用舍。

[書き下し文]
同異を以て喜怒を為さず、喜怒を以て用舍(ようしゃ)を為さず。

[原文の語訳]
意見の相違で喜んだり怒ったりせず、その心もちで取捨を決めてはいけない。

[解釈]
自分との意見の相違で気分を変え、その勢いで採用したり退けたりしてはいけないということです。

正論でも気に食わなければ採用しない、間違っていても気分が良ければ採用する。そういったことをしてはいけません。

思わぬ言葉に正気を乱し誤った判断や処分を下してしまい、あとで思い直しても後の祭りとなってしまってはいけません。

周りに同調して一緒に批判したが、後で考え直し自らを恥じても、すでにその人は去った後かもしれません。

意見をする方も「その飢飽を時として、その怒心を達く」です。タイミングと言い方に配慮することも大事です。

いくら美味しい料理でも、自分の好きではない食材を使うことが嫌で採用しなかったり、自分が好きだからといってジャンルの違う商品を出してしまうのもお客さんを戸惑わせてしまいます。

時代の流れや世相に反抗して不採用としても、周りの理解を得られることは芯を曲げないことになりますが、そうではないと単なる意固地と捉えられてしまいます。

気分屋で同じ案に対して頻繁と変心するトップには困りものです。

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