「過ちをしない」既明且哲、以保其身

すでに明かつ哲、以ってその身を保つ
―既明且哲、以保其身―

[原文](詩経 大雅・烝民 / 中庸 二十七章)
既明且哲、以保其身、夙夜匪解、以事一人。

[書き下し文]
すでに明かつ哲、以ってその身を保つ

[原文の語訳]
道に明らかでいて思慮深い人が、それでわが身を保全する。

[解釈]
「聡明で道理に明るい人は、危険を避け、身の処し方を誤らない」という意味の四字熟語「明哲保身(めいてつほしん)」の由来です。詩経に記されたことを中庸でも引用しています。

「保身」というと保守的であまり良くない印象な意味で使われがちです。

トップは安定しているときは発言し、混乱しているときは発言を控えることも選択できる。先を見据えていても、混乱している場合はまずは一旦安定させてからでないと更なる混乱を招きかねないです。

現代もスキャンダルやネットでの炎上の際には「沈黙を守る」人がいます。この成否は状況や人徳によるところが大きいかもしれませんが周囲からは「説明責任」という大義名分を突きつけられます。

善政を敷きながらも失言が多いトップは、周囲から口数を少なくすることで延命を求められることもあります。

また「やることはやるけど、言うことも言う」自分にも他人にも常に厳しいという人は、時に周囲から反感を買ってしまう危険性もあります。できる人は自分に厳しく他人に優しかったり「言ってはいけない時」を見定めることもできるのです。

自己満足のためや思いつきだけで突拍子もない花火を打ち上げ周囲を混乱に陥れるトップには困りものです。

そもそも論ですが、できる人はそういった嫉妬心をかったり、騒動を起すような言動はしないのです。

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