「何事も受け入れる寛容さを」泰山不譲土壌、故能成其大

泰山は土壌を譲らず、故によくその大を成す
―泰山不譲土壌、故能成其大―

[原文](史記)
泰山不譲土壌、故能成其大。河海不擇細流、故能成其深。王者不却衆庶、故能明其徳。

[書き下し文]
泰山は土壌を譲らず、故によくその大を成す。河海は細流を択ばず、故に能くその深をなす。王者は衆庶を却けず、故に能くその徳を明らかにす。

[原文の語訳]
泰山は小さな土壌も排除せずに受け入れ、それで大きな山となった。河海は細流を選ばず受け入れ、それで深くなった。王者は衆庶を受け入れ、それで徳が高いのだ

[解釈]
他国の人は信用できないから登用すべきでないという反対意見に対して、優秀な人材は積極的に受け入れなければ国政を強化できない際に語ったものです。

組織でも中途採用や引き抜きなどでやってくる人に対して、僻みも含めて批判的な人がいるものです。いきなり全権を委ねることはできないでしょうが、まずは迎え入れた上でその人を見極めてもよいのではないでしょうか。

また、人事に好き嫌いなどの私情を挟んではいけないのです。公平に評価し論功行賞をしっかりしなければいけません。

「塵も積もれば」です。組織の人材に限らず個人としても何事も寛容に受け入れ、自らの血肉にすることで成長することができるのです。

「全てを受け入れる」はよく言われることですが、なかなかできるものではありません。固定概念や変なプライドが邪魔をしたりします。できる人はそれができるのです。

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