見出し画像

[勝手推敲]令和3年8月21日 河北春秋

原文

故田中角栄元首相の語録にある。「椅子から30センチ飛び上がった」。福田赳夫、大平正芳、三木武夫3氏と争った1972年の自民党総裁選。陣営は最初の投票で「悪くても180票」と読んだ。ふたを開けたら156票。福田氏とわずか6票差
▼このときの感想が冒頭の言葉。3人が動いただけで同数になる。楽観から一転、肝を冷やしただろう。決選投票は大差で福田氏を破ったが「角福の怨念」は政権運営に影を落とした
▼同じ楽観でもこちらは「根拠なき」が付く。菅義偉首相の新型コロナへの対応。発信が楽観に偏るばかりで判断を誤ってきたとの指摘である。首相は「客観的な事実や数値に基づき説明してきた」と言うが、第5波でワクチン接種頼みの限界を露呈した
▼首相にとって楽観視できない重大事は別のようだ。あす投開票の横浜市長選。立候補した盟友を全面支援する。内閣支持率は低迷続き。お膝元で存在感を示し、自民党総裁選と秋の衆院選に向け求心力回復を狙う算段というが
▼楽観的な票読みをした角栄さんは冷や汗を「30センチ」のユーモアに変換した。首相は間もなく就任1年。椅子から30センチ以上飛び上がるべき誤算は幾度も。その度に人ごとのような釈明が繰り返され国民の不安は募る。根拠なき楽観はもう許されない。(2021年8月21日付 河北新報 河北春秋)

推敲後

故田中角栄元首相の語録に「椅子から30センチ飛び上がった」がある。福田赳夫、大平正芳、三木武夫3氏と争った1972年の自民党総裁選。最初の投票で「悪くても180票」と陣営は読んだが、ふたを開けたら156票で福田氏とわずか6票差
▼このときの感想が冒頭の言葉。3人が動いただけで同数になる。楽観から一転、肝を冷やしただろう。決選投票は大差で福田氏を破ったが「角福の怨念」は政権運営に影を落とした
▼同じ楽観でも「根拠なき」が付くのは菅義偉首相の新型コロナへの対応。発信が楽観に偏るばかりで判断を誤ってきたとの指摘である。首相は「客観的な事実や数値に基づき説明してきた」と言うが、第5波でワクチン接種頼みの限界を露呈した
▼首相にとって楽観視できない重大事は、あす投開票の横浜市長選の方のようだ。立候補した盟友を全面支援する。内閣支持率が低迷を続けるだけにお膝元で存在感を示し、自民党総裁選と秋の衆院選に向け求心力回復を狙う算段というが
▼楽観的な票読みをした角栄さんは冷や汗を「30センチ」のユーモアに変換した。首相は間もなく就任1年。椅子から30センチ以上飛び上がるべき誤算は幾度も。その度に人ごとのような釈明が繰り返され国民の不安は募る。根拠なき楽観はもう許されない。

後記

遂行したら文字数が増えてしまいました。反省。

-----
河北春秋(8/21):故田中角栄元首相の語録にある。「椅子から… | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS
https://kahoku.news/articles/20210821khn000011.html
-----

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?