レタス

半導体工場でレタス

先端技術の粋をこらした製品は劣化が速い。
利益が出ると見れば各社、各国が殺到してたちまち価格が下がって性能がアップする。その激しい競争はすぐに体力勝負の世界に変り、巨大資本とか、極端に安い労働力を持つところが先行者を駆逐してしまう。
半導体は、かつては日本の独壇場だったが、今や新興国の追い上げで青息吐息、工場閉鎖も続出している。
そんな中で、会津の富士通セミコンダクターは3年工場が休止していたが、このほど変身した。
野菜を作り始めたのである。
農業の情報通信技術を生かして先端栽培工場となった。作るものはレタス、それも低カリウムに特化した。理由は全国に大勢いる腎臓病患者の食事をターゲットにしたことである。  
元々クリーンルームだったから栽培環境は最高、品質管理は最初からトップレベル、栽培履歴もしっかりと保管する。雑菌がいない工場だから低カリウムだけでなく、いつまでも新鮮で「1ケ月半は味も見栄えも変わらない」そうだ。  
懸念はコスト。
次に腎臓病に着眼したのは良いとして、特定の小さな市場に絞って行くのは大手企業のマシャクに合うのだろうか?最後に工場農業に向いた野菜としてレタス以外にないのか?などである(レタスの競争は激しい)。  
そう言えば、宇宙船の中での新鮮野菜はどうして供給しているのだろうか?同様な閉鎖空間である潜水艦の中ではどうしているだろう?と考えて農業専門家に聞いて見たら、艦内レタスを作る装置を考えた業者は、既に居た。
#先端技術 #半導体 #レタス #コラム

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