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【映画感想46】父親たちの星条旗/クリント・イーストウッド(2006)



「僕たちは英雄ではない。本当の英雄は、硫黄島で亡くなった戦友たちだ。」

前回見た「硫黄島からの手紙」の対になる映画。

どちらも硫黄島の戦いがテーマで、前作は日本人視点、そして今回がアメリカ人視点。

帰国したアメリカ兵が、あの有名な星条旗の写真とともに祭り上げられて政府のプロパガンダに利用されPTSDに苦しんでいく。

前回の感想で「アメリカ映画にはヒーローが必要なんかな」とぼやいていましたが、今回は「戦争にヒーローはいない」という話だったのが意外でした。

兵士の恋人?が自分の恋人はヒーローよと言わんばかりにパーティーではしゃいでて、誰も咎めたりそれに対して何か言うわけではないんだけどそこはかとなく浮いてて無神経な感じがする描写はちょっと好きでした。説明したところで自覚できないし分かり合えないんだろうなって所が生々しい。大小問わず日常でもこういう瞬間はわりとある。

「硫黄島からの手紙」では、唯一のまともな倫理観がある上官がアメリカ留学経験があって…というくだりがちょっともやっとしてたのですが、もしかしたら「父親たちの星条旗」で戦争における正義やヒーローの不在を描き、その対比として「硫黄島からの手紙」でヒーロー的な存在(=アメリカかぶれの上官)を出したかったのかもしれない。そう思うとちょっと納得できる気がしなくもない。

いや、2作見てもやっぱどうしてもアメリカ人の方が人道的に見えるのが気になる…

意識してか無意識なのか、監督の真意はわかりません。

好みではなかったので渋めのコメントばかりしているけど、作った意義や込められた意味はきちんとある映画だと思います。

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