『たまこまーけっと』&『たまこラブストーリー』@出町座
不肖わたくし、出町座デビューを果たして参りました。
しかも、「たまこ」を鑑賞するという、これ以上ない形で。
「出町座」とは、「出町桝形商店街」に2017年にオープンしたミニシアター。そして、「出町枡形商店街」は「たまこ」の舞台「うさぎ山商店街」のモデルになった商店街なのです。
聖地にて、しかもTVシリーズと劇場版を続けて観られるとあって、駆けつけずにはいられませんでした。
(弊ラジオ「名作プレイバック」にて触れたところだったので、余計に運命的な流れを感じました。28:42~)
「たまこがみんなからずっと愛されますように」にとてもグッときますが、帰りはその感動が数百倍になります。
中にもふとしたところに「たまこ」の姿が。出町座は、書店やカフェも連なった素敵空間でした。カフェメニューに「たまこブレンド」なるものがあったので、いただくことに。青春の苦み(酸味が苦手な私でもおいしかったです)。
上映前にはたまこ役の洲崎綾さんからの「お年玉」がありました。これもまた、視聴前と視聴後で味わいが変わってきますが、「たまこ」が愛されてきたからこそ実現したんだなぁ、とひしひしと感じます。
劇場版はさておき、TVシリーズの視聴を共有するという体験は初めて。
史織が一歩を踏み出す姿はこんなにも胸を打つものだったっけか、とか、みどちゃんは本当に不器用だなあ、などと思いながら、ときに周りから聞こえるすすり泣きの音に共感する、心地よい時間でした。
商店街のトンネルをくぐることで、誰しも心の奥が満たされる。分け隔てなくひたすらに優しく出迎えてくれる面々が眩しく、繰り返されるOPにもマッハで愛着が加算されていきます。
そして、『たまこラブストーリー』。
やはり、傑作でありました。
TVシリーズを見終えた直後だからこそ、「ラブストーリー」と銘打ちながらも「まーけっと」を丸ごと飲み込んで描かれた部分が際立っていました。
何度目かの涙をぬぐって外に出ると、冬の夜の肌寒い空気。
たまこたちと季節を巡って出た先が、物語の舞台であったという、得も言われぬ感情は、たぶん忘れることはないでしょう。
エモさに突き動かされて商店街を何往復かするところでしたが、思い止まりました。
「聖地」にまつわるある種の打算や現実的な経済のことはひとまずさて置いて、
ここにあるのは、ひとつのアニメ作品とその舞台となった場所の、ただただ幸福な関係なのだと、確かに感じられました。
たまこたちはきっとここへ帰っていくのだから。
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