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事実は小説よりも奇なり~同日に死んだ藤原道長と藤原行成(マンガ)


(~解説~)

万寿四年(1027年)12月4日、稀代の平安の大政治家藤原道長と有能官僚の藤原行成は同日に亡くなりました。

え!?同日に死ぬの!?

と驚く方も少なくないと思います笑

私も最初知った時とても驚きました笑

道長が死んだとき、世間はそちらの死の方にばかり注目がいき、行成の死はとても忘れられたような…と言ってはなんですが(笑)ひっそりしていたようです。


~陽の道長・陰の行成
   行成の人生チャート~

二人の人生はよく道長は陽で、行成は陰だと言われています。

というのも、行成はもともと藤原氏のトップであった祖父・藤原伊尹(これただ)をもち、このまま順調にいけば後の道長のように摂関政治を行える立場にあったのです。

しかし……

972年、行成の誕生と行き違うようにして祖父伊尹はこの世を去ってしまいました…

さらに悲劇は続きます…

その二年後、父・藤原義孝(よしたか)も流行り病でこの世を去ってしまうのです…!!

この時代、父親による後見は超重要。
いるといないでは出世のペースが大違いです。

そんなん実力勝負じゃねぇじゃねぇか!!(謎のヤジ)


まぁまぁ、笑 確かにそうなんですが、
意外と(?)有能な官僚はいっぱいいる、ある意味恵まれた時代だったんです!


~悲劇は続くよどこまでも~

不運の連続の行成くん、二十代前半にして、無職になってしまいました(急)

父が亡くなってからは母方の祖父・源保光(やすみつ)さんに育ててもらってきた行成でしたが、

995年、空前の大疫病でおじいちゃんも亡くしてしまいます…その数月前にはお母さんも亡くなっています。

お嫁さんや子どもはいるにしろ天涯孤独の身になってしまった行成くん、、、、(考えるだけで泣きそうなオタク)

無職だし親失くすし、これほどむごい仕打ちないですわ…

神はいないのか…!?!?


~生涯の友・源俊賢~

そんな不運な行成くんを出世街道に引き上げてくれたのは、上司兼先輩兼親友の(肩書きが多い)
俊賢!!!!!


995年の大疫病は朝廷の有力大臣たちをも奪い去っていきました。

その大疫病が道長の運命も行成の運命をも大きく動かす機転となったのです。

道長は疫病により関白だった兄・道兼を亡くし(道隆は病で死去)、一条天皇の母であり姉の詮子(せんしorあきこ)の引き立てによって右大臣になり実質上の朝廷トップになります。

大臣が多く亡くなってしまったので、大幅な人事異動が行われたのです。

その波に乗り、俊賢も宰相という一つ上の官職に昇進することに。

その折、俊賢が今まで就いていた蔵人頭に行成を推薦するのです!

実は蔵人頭は、これからほぼ確実に出世できるっていうミラクル官職なのです!!

そんなミラクル官職に推薦してもらった行成は無事蔵人頭になり、天皇から確かな信頼を得ていくのです。

この経緯は大鏡や古事談にあり、この恩を忘れなかった行成と俊賢の尊いお話が拝めます!


~そして四納言へ~

こうして人生山あり谷あり、行成は一条朝の有能な四人の官僚「四納言」の一人となるのです。

(四納言→藤原斉信、同公任、同行成、源俊賢)


~道長と行成の対照的な死に方~

ここまで行成ばっかり不幸だけど頑張ってきたのよ~みたいに言ってきてしまいましたが、道長だってただ運だけでここまできた男ではないと思います笑

運があったって実力が伴っていなければ、人ってついてこないじゃないですか?
政治家なんだし笑(よく運だけで片付けられるのが不服なオタク)


そして二人に死の時が訪れます。

道長は出家していたので、大好きな仏様に見守られ、九体の仏像と繋げた糸を自分の手に握りながら、極楽浄土に行けるよう祈りながら盛大な死を迎えたそうな。相当糖尿病でやられていたそうです。

一方の行成は、かわやに行く途中卒倒してそのまま帰らぬ人となったそうな。。。

えっやだ最期トイレ行く途中で死ぬn…

恐らくですが、行成は死ぬなんて思ってなかったんじゃないでしょうかね…
まだ出家してなかったし…
貴族は死ぬ前出家するのがステータスなんです。

でも行成はまだ現役だ!と思ってたんでしょうかね…寒い12月だったのもあって、温かい所から寒い所に行くと血圧が一気に急上昇したりして老人には危険ですもんね…


ちなみに行成の死に世間の関心がなかったというのも、早朝道長が亡くなって、そのあとに行成ときたようです。

4日の朝から京中は道長の死で話題が持ちきりだったのではないでしょうか。
こういうところから道長の偉大さが沁みます。


話は長くなりましたが、最初の私の漫画に戻って…

ここでは道長の死と行成の死が対等なものであり、行成は金魚のフンのように道長のあとを追って死んでいったのではないよ、ということを描きたかったのです。

よく道長のあとを追って死んだ忠義者みたいな言い方をされるので…笑

黄泉の国へ行く道で二人が会って話していたらどんなかなー!という妄想を繰り広げました笑


かなりの長文になってしまいましたが、読んでくださりありがとうございました!

12月4日、ぜひ二人の人生に想いを馳せてはいかがでしょうか…😌


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