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夏休みは修行

子ども3人を育てると、ずーっと育児が続き、いつになったら終わるのか…と遠い目になった覚えがある。

もちろん、永遠なんてことはないけれど、その間に来る夏休みは、特に宿題は保護者へのイジメではないか、とさえ思った。
夏休み前の修業式に、子どもがランドセルに入り切らないほどの宿題を抱えて帰ってくる。
我が家はアウトドア系の遊びが好きで、夏休みの土日はほぼ毎週キャンプに出かけていた。
その合間の平日、わたし自身も仕事があり、仕事の時間を減らしてもらって家に帰る。そこから宿題をやっつけていくのだ。

子どもが率先して宿題に取り掛かるのをジリジリ待つものの、まぁ我が子ですから「ソッセン」などあり得ない話で、迫りくる出校日に合わせて、あれとこれ、はこなしていかなければならず、かと言って親が前に出てはいけないし、子どもが自分から取り組むように仕向けなければならず…

「夏休みの日誌」なる冊子は薄っぺらいわりに親を苦しめる。
あれで何が身につくのか理解できない。わからないことがわからないまま終わる、と思っていても虚しく問題を解いていくしかない。

ポスターも2枚書け!
交通安全と家庭の日(なにそれ?)。
部屋中新聞紙を広げ、水彩絵の具を用意するまでが結構大変。下絵から書くのも時間がかかり、3日がかりのこともある。

読書感想文も書け!
本を選ぶことから始まって、読み終わるのが夏休み終盤になるからそこから原稿用紙とにらめっこになり、用紙2枚以上に書きましょうなどとムダに指定してくるのでマスを埋めていく作業となる。

ポスターも感想文も模範的なモデルがあって、それに近づけるように書かなきゃならない、という不毛の作業なのだ。
子どもにはそんなことは言えないが、悶々と作業をしていくのは本当に苦しい。

それに加えて「自由研究」というモンスターがいる。

長男は「ペレット(鳥が吐き出した未消化のもの)」
次女は「東谷山のムササビ」というタイトルにした。

さぁ大変!
ペレットは町内の神社、寺の木立のあるところへ何か所に出かけて行き拾い集めた。藪の中に入り込み毛虫に刺されて足が腫れた。

ムササビは夜が始まる頃にねぐらから出てくるので、それを見届けて帰ろうとして真っ暗な山道で迷ってしまい、結構怖い思いをした。なんとか子どもと山を下りたが、登り口とは反対側に下りてしまい、相当歩いて車に戻り、家に帰りついたのは深夜だった…

情報を集めたら、今度はまとめなくてはならない。
これも頭を悩ませた。
子どもらしく、子どもの感覚で作っていかなければならない。
今どきは、調べたいことがあればインターネットで家にいながら何でも調べられるけれど、当時はそんなものはなく、図書館頼りだったからまたそこまで出かけていかなければならない。
それを3人分。
まさしく、カオス…!!

この他に夏休み行事として、ラジオ体操、プールの付き添い、子ども会のイベントなどなど…
親は、消耗し疲れ切った…

一体誰のためにやってるんだ!
親の修行?
親をイジメないで!
親が追い込まれると子どもに波及するよ。
いいことないよ。

夏休みの宿題。
いい加減にしろ!!

消えろ!!






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