TikTokは企業が活用するべきなのか
TikTokが日本に上陸して約4年。ブームとして終わるのかと思いきや、未だ多くの若年層を中心に根付いていると言えるのではないでしょうか。
そんなTikTokですが、TwitterやInstagramに比べて企業活用があまり多くないように思います。
そんなTikTok。企業が活用すべきかどうか考えていきたいと思います!
TwitterとInstagramと何が違う?
今多くの企業が活用しているのは、TwitterとInstagramではないでしょうか。TwitterとInstagramは活用が進んでいるのに、TikTokはなぜ進まないのか。
まず、大きく挙げられるのが投稿形式。
Twitterの場合、文字のみ、画像付き、動画付き、リンクシェア、アンケート機能など多くの投稿形式があります。
ここで、ポイントなのが、文字のみでも成立するところです。投稿の視認性を高めるために画像などはあったほうがよいですが、場合によっては文字だけでも投稿できるため、運用ハードルは一番低いです。
Instagramの場合は、フィード投稿、ストーリーズ投稿、リール、マガジンなど多くの投稿形式があるものの、全てにクリエイティブが必要となります。
また、投稿をより多くの人にリーチさせるため、ハッシュタグはかかせません。
そのため、クリエイティブ(画像や動画)を用意するハードル、ハッシュタグを探すハードルがあり、これらを用意できない場合は運用を諦めてしまうかもしれません。
なかには、UGC(ユーザーの投稿)をうまく活用して運用しているところもありますが、そもそもユーザーの投稿が少ない場合もあるので、ここも企業活用の難易度は高いと考えられます。
TikTokでは、動画を投稿するプラットフォームのため動画をとらなければいけません。
このハードルがやはり企業活用が進まない一番の理由だと思います。
TikTokの企業事例
それでは逆にTikTokを活用している企業がどのような投稿をしているかみてみましょう。
まずいちばん”企業活用”としてうまいのが、長崎バイオパークさん。こちらは九州にある動物園ですが、動物の癒やされる動画や飼育員さんの解説などをあげています。
動物コンテンツはどこのプラットフォームでも強いですが、TikTokでも健在のようです。
次は、日本相撲協会公式。
もちろんちゃんこ鍋を作る動画もありましたが、土俵を作る工程や俵作りなど普段目に触れないものを動画にしており、相撲に興味がない人でもおもしろいと思えるコンテンツになっていました。
その他のアカウントは、映画や番組のプロモーションやアーティストアカウントなどが多く、”企業活用”があまり進んでない印象でした。
TikTokは動画形式オンリーのメディアのため、被写体が必ず必要になります。継続的にコンテンツ開発を行っていかなくてはならないものの、被写体になるような人や物などを用意できず、TikTokをやりたくてもできない企業が多く、事例もでないことで企業活用がうまくいってないのではないでしょうか。
海外事例からみるTikTok活用
ある海外記事に載っていた内容から抜粋して紹介します。
▼元記事はこちら
2020年には、Louis Vuitton, Fendi, Balenciaga, Dior, Stella McCartney, GucciがTikTokアカウントを開設したが、うまく活用しているファストファッションアカウントよりフォロワーの伸びはよくなかったそう。
また、動画を上げる頻度も低く、海外でさえ活用がうまくいってない様子。
ただ、その中でもMONCLERのハッシュタグチャレンジが大成功をしていました。
この#MONCLERBUBBLEUP チャレンジ。私が確認したら70億視聴をされており、かなりの数字ではないでしょうか。
ふとんや生地にくるまって、音と同時にMONCLERのダウンに変身という構造。
特別な仕掛けはないものの、ブランドが提供しているコンテンツというより、かなりTikTok仕様になっている動画の構成です。
この構成、ブランドではなく、インフルエンサーが考えたと聞いて納得。ラグジュアリーブランドは特に独自のクリエイティブに対するポリシーが厳しいため、ユーザーやインフルエンサーにクリエイティブやコンテンツを作ってもらうことはあまりないですが、だからこそ逆に親しみやすさを感じられ、このMONCLERのTikTokキャンペーンは成功したのではないでしょうか。
ラグジュアリーブランドのアカウント達をみると見えてくるのが、世界的に認知の取れているブランドでさえTikTokアカウントの運営に苦戦をしている。ただ、仕掛けとして成功すれば世界中の多くの若年層にアプローチできる。
ということは、日常的に運営していくのではなく、プロモーションとして定期的に活用していくのが成功ポイントなのではないでしょうか。
過去に日本ではドミノ・ピザもアカウントでインフルエンサーとともに動画を上げていましたが、今は非公開になっています。
そのように、プロモーションに合わせて被写体となるインフルエンサーと組みながら短期的な運用を繰り返していくのがベストだと考えられる。
被写体がなくても商品さえあればTikTokは作れる!
短期的な運用を繰り返すのがおすすめとお伝えしましたが、そうはいってもインフルエンサーやアドの出稿などで予算はかかります。
試しに予算をかけずにやってみたい、そんな人もいるのではないでしょうか。
そんな方たち向けに最近のTikTokでのはやりの投稿を交えて活用できる要素をご紹介します。
こんな形で、人はでてこない、HowTo系のコンテンツは少し前から人気になっています。
このように、イラストと商品をかけ合わせた動画も多く投稿されています。
動画のクオリティについては、ブランドとして検討の余地があるかと思いますが、HowToや商品にフォーカスして簡単な動画で運用というのも一つの選択肢になるでしょう。
結局、企業はTikTokを活用したほうがいいのか?
私の結論、「できるならしたほうがいい。」です。
長崎バイオパークも、相撲協会も普段リーチできない若年層達にリーチができ、コミュニケーションが生まれるのは他のSNSではできなかったかもしれません。
また、MONCLERのようにユーザーの参加がどんどん増えれば、いわゆるバズというものが起こり多くの人にコンテンツが届きます。
(香水という歌があれだけ流行ったのもTikTokが鍵でしたしね)
ブランドにもよりますが、一般的にブランドが力を入れていく順番として以下がよいと思います。
Instagram > Twitter > TikTok
ただ、低価格帯かつ商品ラインナップが多いブランドはTikTokを活用して若年層にリーチしたほうが絶対にいいし、Instagramはフィード投稿して、ストーリーズも上げて、リールなんかも使いこなして、ハッシュタグを深掘って~と考えるとかなり工数がかかるので、その場合はTikTokに振り切るのもありだと思います。
TikTokはプラットフォームの構成上、自分にとって興味関心度が高いものが流れてきます。
若年層とライトに関わって行きたい、リーチしていきたいのであれば、プラットフォームの選定は検討しても良いかもしれません。
また、前述した通り、長期的な運用でなく短期的な運用や広告活用でも十分効果は取れます。
今、自社に何が必要か考えながらその時の注力プラットフォームを分けていきましょう!
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