かけないなら うたう
キーボードをたたけない。
色鉛筆を握れない。
残されたのは声。
編集の仕事をさせてもらっている。そういうとサザエさんのノリスケみたく、作家先生に原稿をもらいに行ったりする姿が思い付くのかなと思う。
だけど、私の仕事はWebの領域。書く前の素材=情報集め、情報整理、集めた情報の価値判断=キュレーション、企画、ライティング、制作関係者とのやり取りetc。
尊敬するあの人は、編集を「ことばをデザインする」仕事だと言っていた。
下っ端の私はその次元を目指して、世間のイメージより広い「編集」の世界で奔走する。
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デザイン。制作。感性が大事そうだけど、思いの外ロジックが必要な領域だ。とにかく左脳を使っているなという感覚は大きい。
その反動か、仕事終わりには右脳を使いたくなる。色鉛筆とクレヨンは私の必需品。ちょっと疲れているときは、色にのせて好きを表現するとすっと眠れる。
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疲れた日に、描きたいものが思い浮かばなかった。書きたいこともない。何かが渦巻いて、大きくなっていった。
渦巻きはこころを巣食う。身体も蝕まれる。すごくいやな感じ。その感じが続いて、いっぱいいっぱいで、大声で泣いた。
泣いたあと、好きなアーティストの声にあわせて小さくうたった。きもちなんてどっかに行ってしまった気でいたけど、久しぶりに感性が使えて嬉しかった。
noteで話したり、うたわなくなってしばらく経つ。あの頃「うたう」という手段を知っておいて、本当によかった。
20220904 Written by NARUKURU
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