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頭の中のパワハラ野郎を消すために、カウンセリングを受けた話

私の頭の中には、パワハラ野郎が住んでいます。対処法を学ぶために、オンラインカウンセリングを受けました。


どうも、なるみ(@iul_gorilla)です。

お恥ずかしながら、昔から「自分を罵倒する声が聞こえる」という症状に悩んでいます。その声は、人前で恥ずかしい思いをしたときや、仕事でミスをしたときに聞こえてきました。幻聴のように聞こえるけれど、「声は自分が作り出したものだ」という自覚がある状態です。

この症状を解決するべく、オンラインカウンセリング『うららか相談室』を利用してみました。

今回は、私がカウンセリング中に学んだ、「自罰的な声・思考への対処法」を共有します。自分を責める癖に悩んでいる方に役立てば嬉しいです。

自分を責めて、口から自分への暴言が飛び出る


さて、簡単に私の症状についてご説明します。

最初に自覚をしたのは、中学生のときです。
その日は体育の授業で、バレーボールの授業がありました。私は球技が苦手で、試合中にクラスメイトの足を引っ張ってました。

学校から帰宅したとき、その時の失敗をふと思い出したんです。みんなが普通にできていることができなくて、自分が恥ずかしい。そこで鏡の前で突然「おまえはだめだ!死んでしまえ!」と大声で口に出してしまいました。

そんな経験があります。

誰か特定の人にあてた言葉ではなく、自分自身に対して言った言葉です。誰かが私に「死んでしまえ」とささやくのが聞こえたため、同じ言葉が口から飛び出してきたように感じました。

もう10数年前の出来事なのに、当時のことを鮮明に思い出せるぐらい衝撃的でした。びっくりした。

自分の声にパワハラ課長と名付けてみた


それからは頭に自罰的な声が響いた際に、その内容を小さな声で口に出す、という癖がつきました。罵倒の種類は様々で「お前はバカだ」とか「ゴミカスは死んでしまえ」とか「消えたほうがいい」とか。

自分が失敗をしたときや、過去の失敗がフラッシュバックしたときに聞こえてきます。それが高校生、大学生、果ては社会人になっても続くので、困っていました。

以前、統合失調症という精神病を疑ったことがあります。そこで統合失調症の患者さんを支援する、福祉センターに関する書籍を読んだことがあります。

そこでは、”「声」を正体不明の怖い存在だと思わず、名前をつけて輪郭を与えてみる”という取り組みが紹介されていました。そこで私はこの声を「パワハラ課長」と名付けています。なぜ課長なのかは不明です。こんなパワハラ野郎がいる会社では働きたくない(笑)

仕事中のミスで、声が止まらなくなった

先月、小児の薬で用量のミスが発覚しました。先生が処方した薬の量が極端に少ないにも関わらず、適正な量の計算を間違えてしまったのです。

幸い、その日のうちにミスに気づき、小児科の医師と母親に連絡。量を間違えた薬をお子さんが飲むことはありませんでした。先輩からは注意は受けたものの、叱られることはなく、「次は気をつけよう」と指導されました。

・・・が、しかしそこからがひどかった。

「お前はミスをする駄目なやつだ」
「お前がいるから薬局が回らないんだ」
「お前なんて死んでしまえばいいのに」
「辞めればいいのに」

等々、ありとあらゆる暴言がワーッとあふれ出て、胸がキューッと苦しくなる。呼吸ができない。その後はフラフラになりながら仕事し、なんとか帰宅しました。今までも仕事中に声が響いてネガティブになったことはありましたが、ここまでひどいのは始めてです。

しかしながら、ミスでいちいちそんな状態になっていては仕事が回りません。次は再発させないために、なんとかしなければ・・・。

そう思って登録したのが、オンラインカウンセリングの『うららか相談室』です。

オンラインカウンセリング「うららか相談室」について

うららか相談室は、インターネットを利用した非対面型のカウンセリングサービスです。180名以上のカウンセラーが在籍しており、自分の好きな時間にカウンセリングを受けることができます。

カウンセリングの形態は
・カメラ機能を利用したカウンセリング
・電話によるカウンセリング(カメラなし)
・メッセージによるカウンセリング(文章のみ)
の三つがあり、それぞれ金額が異なっています。

私が受けたのは、カメラを利用したビデオカウンセリング。朝の9時に予約を取りました。普通のカウンセリングなら、こんなに朝早くに、急に予約を取ることなんてできないと思う。

金額は1回で5,280円(税込)でした。普通のカウンセリングなら1回1万円以上かかることもあるので、良心的な価格です。

カウンセリングの先生は優しかった

対応してくれたのは、笑顔が素敵な女性の臨床心理士。自宅のパソコンから、Zoomを利用してカウンセリングを受けました。

先生。朝っぱらから本当にありがとう。「朝からこんな話聞くの嫌だろうな」なんて思っていましたが、ずっと笑顔で対応してもらえました。

とにかく優しい。否定はせず、決めつけや断定もせず、あくまで私の話を聞いてくれます。

「今どんな悩みを持っているのか」「その悩みをどうしていきたいのか」「カウンセリングを受けた後で、自分がどうなりたいのか・・・」

先生のおかげで、ゆっくり自分のペースで話すことができました。

話している中で大事だと感じたのは、「カウンセリングを受けてどうなりたいのか」をしっかり伝えることだと思いました。ただ愚痴を聞いてほしいだけなのか、それとも悩みの解決に向けて歩んでいきたいのか・・・。その時々のゴールがあったほうが、カウンセリングはスムーズに進みやすいと感じます。

私が相談した内容は以下のとおりです。
「失敗した経験を思い出したり、実際にミスをしたときに、パワハラ課長が自分を罵倒する声が聞こえる」
「これは幻聴ではなく、自分で自分を責めていると理解している」
「声が聞こえたとき、落ち込んで仕事に支障が出ないようにするための対処法を教えてほしい」

私の心のなかで起こっていること。認知行動療法の相互モデル

「まずは、なるみさんの心の中で起こっていることを図にしてみましょう」

そう言って画面に表示されたのが、こちらの図です。

これは認知療法・認知行動療法で用いる相互作用モデルといいます。外界での出来事が、わたしたちの心理にどのようなプロセスを辿り、影響を与えているのかを示しています。

まず左側には、わたしたちが目にする「出来事」があります。それが好ましくないものであれば、わたしたちの心と身体にネガティブな影響が現れます。

・出来事を認知する(どのように考えたか、イメージしたか)
・身体への影響が現れる
・気分や感情が変化する
・行動に現れる

この図を、私の悩みに当てはめるとこのような感じになります。


これらの4つのプロセスは互いに影響しあっているのです。

はじめに『仕事でミスをする』という出来事があります。

ミスをすると、パワハラ課長が自分を責める声が聞こえる(認知)
自分を責めると、胸のあたりが苦しくなって呼吸が乱れる(身体)
苦しくなると、自分への怒りと悲しみが生まれる(感情)
気分が落ち込み、罵倒を口に出してしまう、仕事に集中できない(行動)
仕事に集中できないことを認識し、また自分を責める声が聞こえる(認知)
仕事の能率が下がり、またミスをする(出来事)

このように、外界の出来事と心の中の認知・身体・感情・行動のプロセスとは相互に作用します。放って置くとますます悪い方向に進んでしまう。まさに堂々巡り。失敗をした、自分は駄目だ。ただそのことしか考えられなくなり、悪い状況から抜け出せなくなるのです。

これを聞いて、「なるほどな〜」と思いました。今まで「自分への非難が止まらない」「仕事ができない」とは考えていました。しかし、感情や身体の反応については、それほど意識していなかったと感じます

「声」がしたときの対処法 認知と行動を変えよう

さて、「声」が聞こえてきた際にも仕事に向き合うために、どんな対処法をすればよいのでしょうか。

答えは、認知・身体・感情・行動のプロセスのどこかを断ち切ることです。悪い出来事が起きたときは、プロセスに身を任せるのではなく、意識的に変えてみようとすることが重要。

カウンセラーさんに教えてもらった方法を共有します。


1)バタフライハグ

「行動」を変える対処法です。両腕を胸の前でクロスさせ、自分を抱きしめます。自分の胸から肩あたりを交互にポン、ポンと叩きます。

詳しい方法がこちらのページに載っていたので、ぜひ御覧ください。


右、左、右・・・と交互に胸を叩いて、自分の身体をリラックスさせることができます。

その状態で、「大丈夫、大丈夫」と心のなかでつぶやきます。自分を安心させる言葉をかけてあげるのです。

詳しい理由は教えて貰えませんでしたが、トラウマや不安には、「両側性運動(身体の左右両側に関係する運動)」が効果的なのだとか。やってみると、確かに自分を責める声が一旦ストップします。ぐるぐる思考のループが、プツン、と切れるような感じです。

2)「そもそもどうしたかったんだっけ?」思考

こちらは「認知」を変える方法です。出来事が起きたら、すぐさま

「私は、そもそもどうしたかったんだっけ?」

と考えてみましょう。

失敗したくて失敗する人はいないと思います。大体のミスは、全力で仕事に向き合っているからこそ起こるものだと、カウンセラーさんから聴きました。

その仕事が自分にとってどうでも良いものだったら、別に落ち込んだり自分を責めたりしませんものね。

私の場合、「そもそもどうしたかったんだっけ?」と考えてみると・・・。

「薬の量を間違えてしまったけれど、本当は処方が間違っていることに気づいて正しい量をお渡したかった。違和感を感じた時点で同僚に相談すれば良かった・・・」

などと、改善策が芋づる式に思い浮かぶような気がします。

自分を責めてばかりだと、まるで自分が悪人のように思えてきます。自分を罵倒することを辞めて、根底にある善意を認識することが対処法の一つです。


カウンセリングが終わった後も、仕事中にミスをする出来事がありました(同じミスではないけれど)。パワハラ課長が、自分を罵倒する声がぐるぐる・・・。しかし、教えてもらったバタフライ・ハグをすると、だんだん嫌な気持ちのループから抜け出せて、仕事に向き合えるようになったと感じています。

同じ症状で悩んでいる人は早めに相談して、思考のループを断ち切ろう

以上が、私がうららか相談室のカウンセラーさんに教えてもらった方法です。

「自分を責めないようにしよう」「声を止めよう」と考えたって、自分の思考はそう簡単には変えられません。心理的なプロセスをどこで変えるかに着目するほうが、ずっと建設的です。

自罰的な感情に対しては、真正面から向き合ってはいけないと思います。自分なりの逃げ方を確立させて、とにかく思考のループを止める方向に持っていったほうがいい。

職場にパワハラ課長がいて、話が通じないやつだったとしたら、移動なり転職なりします。そのほうが、ずっと精神的に楽ですよね。

その事に気づけた点が、カウンセリングを受けて本当に良かったと思っています。カウンセラーのお姉さん、本当にありがとう。

それから、同じような症状で悩んでいる人がいたら、早めに他人に話したほうが良いと私は思います。

中学生から社会人まで、症状をズルズルと放置してきました。前職では鬱になったりもしましたが、発症にパワハラ課長の存在が関わっていたと今では思います。心のなかに自分を否定する人間が住んでいるストレスは想像以上に大きい。もっと早くカウンセリングを受けたほうが良かったと感じます。

        

パワハラ課長はまだ頭の中にいます。彼が頭の中から消える気配はありません。それでも、辛いときはカウンセリングを頼りつつ、うまく付き合っていければよいなと思います。

同じような症状に悩む方の参考になれば嬉しいです。


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