Developers Summit 2024:エンジニアの成長とそれを支える組織の考え方 を見て

セッションの概要

株式会社ビッグツリーテクノロジー&コンサルティング
CTO
高安 厚思氏

この人はすごいエンジニアだ!と思った人の特徴とエンジニアとしての成長、さらにコンサルティングと技術の融合について紹介いただきました。

https://event.shoeisha.jp/devsumi/20240215/session/4774

すごいエンジニアの特徴

高安氏の思うすごいエンジニア

  • 俯瞰的な視点

    • 身近・局所・短期的ではないこと

  • 圧倒的なスピード

  • 本質的な理解

    • とある圧縮アルゴリズムでZIPなどを用いず、圧縮対象をよく理解した上で、独自圧縮をかけた方が効率が良いことを指摘。 etc…

さらに、こういったエンジニアは、マネージャーから指摘が入ることをそもそも考えていないし、恐れてもいない。と語ります。

これらを実例をもとにお話いただき、まとめとして、

  • 原理原則をよく知っている

  • アイディアに対して修正や検討理解が早い(Feedback loopが短い)

  • 書籍をよく読み、より体系的に理解している

  • 幅広く視野を持っている(ToBeを知っている)

  • ToBeから現実を見て手段を考えられる

これは確かに、思い当たるところがありますね。
中にはマネージャーからの指摘が「怖い」と感じられる場合もありそうですから、それらはマネージャーがしっかりと心理的安全性を確保できる組織づくりを進めていかねばなりませんね。

技術の習得とマインド

  • ダニング・クルーガー効果

    • ググっていただくとこの効果について図がでてきます

  • ケイパビリティ

    • 組織としての実現可能性の話

  • ヤクの毛刈り

  • 技術マップの棚卸し

    • 自分は何がわかっていて、何を知らないのか、何を学ぶべきかを知れる


ヤクの毛刈りをポジティブに捉えられていたのでとても印象に残りました。
とある複雑な処理を行うライブラリの中でどんなことが起こっているかを知っているかどうか
という話でしたが、私のいる会社にも居ましたね。こういったライブラリの中まで詳しく理解している猛者が・・・。

エンジニアにもいろんな種類がいると思っていますが、こういった方は確かに強いです。
どんな仕組みで動いているかを知っているから、トラブった時の調査や代案を出す速度が頭ひとつ抜きん出ています。
そして私が知る限り、こういった方は、そもそも好奇心で学んでいます。もはや学習ですらないため、知識の吸収力も段違いです。

もはやエンジニアというよりは、尊敬の念を込めて使われていた正しい意味での「ハッカー」ですね。

もう一つ、気になったのは技術マップの棚卸しです。
自分(メンバー)は何がわかっていて、何を知らなくて、何を学ばなければいけないか。

計測(評価)→計画(目標設定)→実行(学習)→…
これを繰り返す必要があるというお話です。
先のハッカーのような人々はこれを楽しみながら実行していると私は思うのです。

源泉が欲求なので放っておいてもやります。
常にワクワクしているので熱量もそうではない人と比べて大きく差があります。

ただ、そうではない人々でも仕事に喜びは持っていると私は思っていますので、物事の解決や成長の証などを適度に確認できるような評価を自身で行える仕組み化などを用いれば実現が可能ではないかと考えました。

高安氏は最後に次のようにまとめました。

  • 自分のキャリアについて考える

  • ものづくりの観点からビジネスの価値とは何かを考える

  • アプリケーションを支えるインフラ技術のあり方を考える

  • 動作しているものの裏側をしる

  • 技術をどの深さで理解するのかを決める

  • ToBeを高いレベルで示し、マーケットでも評価されるようにするのは技術トップとしての仕事

  • 技術者の成長は難しいが、それを促すことはできる

  • 実践が成長の場、そしてスランプこそがつぎのステージに進むきっかけ

  • 技術の立ち位置や方向性を決めて、その枠組で提案とケイパビリティをどう成長させるか

  • 会社が求めているもの(売上・利益)にどうアライメントするか

  • すべてのエンジニアがやりたいことができるか?は難しい

  • 技術者のリスペクトとやりたいこと、成長・待遇のバランスをとり、組織を作る。そして貢献とは何かを定義する

スランプこそが次のステージに進むきっかけや、技術をどの深さで理解するのかを決めること、このあたりはエンジニアの成長という点において私自身経験があることを思い出しました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?