モリゼミで学んだこと
半年間、オンラインで学んできたモリゼミが終ってしまう。
若干、ロスになりつつある私。。
学んできたことを整理するためにも、この記事を書きます。
①オンラインで新たなつながりと発信の場を得られたこと
正直言って、私はまったくデジタルネイティブではなく、基本的に大事なことは会って話さなきゃ、と思うたちでして。
その私が、オンラインでこれだけ深いコミュニケーションを得られたこと、そしてこのNOTEも含めて、発信の場を得らえたことは、とてもありがたかった。
特にモリゼミは、行政関係だけでなく、企業や大学、フリーランスなど、多様な背景とキャリアを持った仲間が集っていることが、とても面白い。
②表面的なあり方だけでなく、歴史や文化、思想にさかのぼって考えたこと
各リサーチチームは、エストニア、オランダ、台湾、デンマークといった国の事績を学ぶと同時に、歴史や背景を必ず参照した。
特に、デンマークの民主主義については、歴史背景と思想が大きなテーマになった。
思想と政治や社会のリアルな接点。それは生活の場にこそ現れる。まさにデモクラチ!
民主主義とは何か、という問いが決して青臭い議論ではなく、染みついた政治文化ともいえるリアリティを持つこと。その実感を得られたことは大きい。
個人的にはさらに、その背景にあるキリスト教(むしろ宗教としてのキリスト教より、聖書を通して得られるキリストの教え)の持つ影響力を感じた学びでもあった。
私にとって、日本社会ではマイノリティであるキリスト教徒(耶蘇)として生きることは、一つのテーマなのだ。デンマークを学ぶことで、脱宗教化した社会においても、思想的にキリストの教えが影響力を持ちうることを実感できたことが、本当に大きな気づきでした。インタビューを通して、デンマーク思想の研究者である名古屋大学の小池先生から、直接にコメントをいただけたことは、極端に言って人生を肯定する、ぐらいの価値があったと思うのです、私にとって。
③政治的な態度、行動には意味があることを学んだこと
台湾の政治について学んだことは、同じ東アジアの文脈で生きる私たちにとって、大きな意味がある。台湾は、近代化の過程において、中国の影響と同じぐらい、日本の影響を受けている。大きな歴史の文脈において、中国との関係性を生きる私たちは、台湾が持っている強い民主主義から、どのように何を学ぶことができるだろうか。
政治とアイデンティティの関係について。台湾において、台湾人アイデンティティは自明のものでは(まだ)ないこと。例えば、日本の地方選挙においても、その領域の(県でも市でもいいが)メンバーだという実感がなければ、投票行動に結び付きにくいだろうと思う。リアリティを感じられないのだ。
台湾では、中国の影響をもろに受けたことで、結果的に若者を中心に、自分たちは中国人ではないという意味での、強い台湾人アイデンティティが生まれ、中国化される危機感から投票行動への強い誘因が得られている。
もう一つ、ほんの30年ほど前まで戒厳令下で自由を奪われていた時代から脈々と続く社会運動、学生運動の系譜。
日本では70年代の学生運動の敗北から、どんどん力を失っていたが、台湾では学生がデモを起こす運動論が(具体的なノウハウも)系譜として続いていること。
今やデジタル市民運動では世界の成功事例といわれる台湾だが、そこに至る大きな契機として2014年ひまわり学生運動があり、その成功に至るまでには幾多の運動が勃興していたこと。
最後に、東大東洋文化研究所の松田先生からいただいた言葉。日本でデモクラシーを活性化させるためには、政党および候補者が活性化する必要がある。要は、候補者や政党、その議論がユニークで魅力的であれば、社会の、自分たちの課題に対してクリエイティブな解決策を感じられたなら、きっと有権者は投票するだろう。
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