見出し画像

振動を糧に彼女は光る

今日はある人について書きたいと思った。

彼女との出会いは私が転職してドキドキしていたあの日。扉を開けた先にテキパキ動いてる彼女がいた。挨拶をするっとぱぁっとした笑顔で、どこか腰がひくそうな雰囲気を纏っていた。

入社1日目は丸一日オンライン研修。
コロナ真っ只中だった。
Wi-Fiが上手くつながらず、
しかし私のスマホは5ギガまで。
絶対にもたない。

彼女に相談したら、スマホを一日貸してくれた。
「無制限なんで大丈夫ですよ」
そして彼女はレッスンをしにスタジオへ向かっていった。
現代の人間はスマホの所有優先度がかなり高い。
そんな大事なものをはじめましての人に
さらっと貸してくれる人。
無事に研修が受けれて神様〜と思った。

彼女はレッスン中いつも笑顔。ぱぁっと明るい。
でもどこか抜けてそうな感じ。
そこがとっても可愛い。
レッスン中、ついつい見てしまう。
きっと私だけではないはず。
 

あの出会いから丸2年が経って
相変わらず、彼女はぱぁっとした笑顔に腰のひくさを纏ってる。
そんな彼女は以前より強くなったように思う。

出会った初日、私は初出勤。
彼女はリーダーという役職の1日目だった。

前にも書いたが
うちの会社はちょっと変わってる。

舵を取ってる社長の運転が荒いのだ。
時速100キロぐらいで進んでいて、途中で良いなと思った場所があったら急停車して必ず向かう。そして方向転換もドリフトのよう。

その車がバスだとしたら、
タイヤの真上の座席に座っているのがリーダーである。一番揺れるポジション。

運転の荒さに影響を受けることを例えるなら
そう、こんな感じ。

彼女は2年間タイヤの上の座席で揺れ続けてる。
そりゃ、揺れるのに慣れてきて身体に軸がでてくる。ちょっとした揺れに対応できてくるようになる。

その揺れに耐えられなくて席を変える人もいるし
バスから降りる人もいる。

揺れることに文句を言う人もいるけど
彼女は違う。
ふにゃふにゃだった自分には
この座席が必要なのだという。

そんな言葉を言える人はそういない。
自分が選んだ選択に誇りをもって
その選択で成り立つ人生を堂々と生きている人。

きっと、これからその座席の上で
シートベルトも外してもっと強くもっと身軽に、
相変わらずぱぁっとした笑顔に腰のひくさを纏って、誰かの希望の星のように輝いているのだと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?