見出し画像

私の収録環境でのダイナミック・コンデンサーマイク音質比較

 こんにちは。今日もにこにこ在宅ナレーターのむとうまきこです。

 今日は、私がふらふら迷い続けていた「ダイナミックマイクとコンデンサーマイク どっちがいいのか問題」を取り上げたいと思います。

 結論から言えば、「いいマイク」ということなら、コンデンサーマイクの方がいいということになるのだと思います。どう違うかとか、どういうところがより優れているのかは、またその道のプロの解説にお任せするとして(笑)、私は、自分の宅録環境で収録した音声をもとに、こういうこともあるという一例をご紹介したいと思います。


1.使ったマイク

 私は始めた最初期こそ、Amazonで買ったやっすいUSB接続のコンデンサーマイクだったのですが、3か月ぐらいでダイナミックマイクに乗り換えてからは、ずーっとダイナミックマイク1本でやってきました。
 しかし、特に海外からの依頼で「コンデンサーマイク使用」が条件になっている場合があって、自分でも音質がどう違うか試してみたくてコンデンサーも購入しました。

 使っているのは以下の2本です。

ダイナミックマイク:AT2005USB

↑USB接続可能ですが、私はオーディオインターフェースを通して使っています。


コンデンサーマイク:AT2035


2.収録環境

 自宅のリビングの奥まったところにあるワークスペースに、あれこれの機材を持ち込み、反響防止にタオルやら毛布やらクッションやらぬいぐるみを総動員して、リフレクションフィルターとポップガードも使用して録っています。「宅録」のレベルでできるノイズ対策は可能な限りやっているつもりです…!


3.比較!

 ではいよいよ本題、2種類のマイクで録った音声をどどーんと公開いたします。もちろんBGMなし!反響具合がより分かるように、自分のサンプルにもないような超高い声で作成しました。

原音は小さめですが、編集後音声ではレベルを調整しているので音量が上がります。ヘッドホンで、音量に気を付けて再生してください。


<ダイナミックマイクの音声>


<コンデンサーマイクの音声>

 

 いかがでしょうか…?「処理後」の音声だけ続けて聞いていただくと、より違いが分かりやすいかも。

 「処理」ではレベルの調整・ホワイトノイズ除去・リップノイズ除去・リバーブ除去をしています。どちらのマイクでもほとんど同じ工程で処理しています。

 私の耳には、どうしてもダイナミックマイクの音声の方が「良く」聞こえるんです……!!!コンデンサーマイクの方が、なにか、くぐもった感じに、1枚膜がはっているような感じに聞こえる気がする…原音状態からそうなので、処理をしくじったというわけでもなさそう…

 ダイナミックマイクの方も、冒頭ちょっとざらつきを感じますが、録音のレベルが大きすぎたのかもしれない…使ったケーブルが古いやつだったのでそのせいかもしれない…など反省点が思い当たる&普段の納品音声では発生していないのでいいとして(こら)。
 コンデンサーの方は、このくぐもった感じの原因が分からない!何がいけないのか分からないから解決方法も分からない!

 そもそも、ダイナミックの方が「良く」聞こえるというのは幻聴?音声を取り扱うプロの方から聞いて、素材として受け取った時に「良い」音声ってどっちなのだろう?と思い、Twitterでつながっている方へ突撃DMさせていただきました。

ご協力くださったみづも様、今回のnote記事化にあたっても
ご快諾いただき、ありがとうございましたm(__)m


4.プロのご意見をお聞きする

 事前におことわりしますと、たとえ無償でいいと発信されている方だとしても、ちゃんとしたプロを捕まえてこういうお願いを無償でするのはどうなのだろう…と常々思っているので、わずかながらお礼をさせていただきました。
 もし、このnoteを読んで、「私の音声もプロに聞いてもらって意見がほしい!」と思う方がいらっしゃったら、それこそココナラとかでそういうサービスを出品している方もいらっしゃるし、そういうルートでお願いするのもいいかもしれません。

 私は、普段からその方のツイートを読んでいて、録音技師として関わったお仕事実績を公開されていて、録音された音を受け取ってミックスする側の立場からのシビアな意見を発信されていて、この方の意見を聞きたい!!と思って大変失礼ながらDMさせていただきました。

 私からご質問した内容の要旨は以下の通り。

(前略)
 高音が綺麗に拾えているのはコンデンサーマイクかと思うのですが、全体的にコンデンサーの方が音がくぐもっているような気がしております。原音を比較した際に、この2つの音声でミキサーさんが受け取る際の音声としてマシなのはどちらになりますでしょうか…。なお、参考まで普段私が納品時に行っている整音作業後の音声も添付させていただきました。この先、EQ調整などすれば更に聞きやすい音になるのかなとも思っているのですが、難しくて手が出せない領域です…。
(後略)


 すると、とっても丁寧に以下の通りお返事を下さいました。

 武藤さんご自身のおっしゃるとおりコンデンサの方は音がこもってしまってますね。
 これは2035(注:コンデンサーマイク)の感度が高いので毛布で高音だけ吸収され、低音は毛布くらいでは吸音されないため、結果として相対的に低音過多になっているためです。
 さらにいうと感度が高いため極僅かな反射成分と直接音が干渉した音になって非常に処理しにくい音です。
 一方ダイナミックの方は適度に感度が低いので口から発する空気の振動をバランス良く拾っているため理想的な音になっているとおもいます。ダイレクトにクリアな音でナレーションとして十分な品質でした。
 両タイプとも自宅録音としては100点に近いよい品質で録音されているのですが、ミキサーとして選ぶとしたら前述の通りダイナミックの音の方が良い音ですのでこちらを採用します
 現状で大変よい品質ですのでEQなどの調整などはしない方がやはり賢明かと思われます


 感謝感謝です…ここまで詳しくお返事いただけるとは思っていなくて、「こっちのほうがよい」だけでなく、コンデンサーマイクの音がこもってしまっている原因についても解説して下さり、納得して、自信を持って、これからもダイナミックマイクを使うこと&今の品質を維持することに注力しようと決意できました。


5.これからも頑張る

 小学生の作文のまとめみたいになりますが、プロのご意見をお聞きするまで、AT2035じゃ安すぎたのか?やっぱノイマンか?ノイマンなのか?と、TLM102をカートに入れては戻し、入れては戻ししていました。笑

 実際どんなマイクも、その環境で使ってみないことには良いか悪いか(合ってるか合ってないか)評価できませんが、少なくとも私の環境では、マイクの感度の高さゆえに問題が発生しているというひとつのジャッジをいただけたので、「このマイクなら…このマイクなら…」という終わりなきマイク沼に溺れずに済みました。

 そして、

・ナレーターはナレーションのスキルを上げることにまず注力する(音の処理は音の専門家にお任せする)
・しかし宅録ナレーターの性質上、整音まで求められる場合には、最低限の、いじりすぎない範囲での整音で納品する

ことを心がけて、これからもダイナミックマイクでお仕事していこうと誓うのでありました。


 以上は、あくまで私の収録環境(地方の一軒家、静かな住宅街、近くに幹線道路はなく、2畳ぐらいの小さなスペースに作った手作り宅録スペース)での話ですので、すべての方にあてはまるとは思いません。あくまで一例として、ふーんと思っていただければと思います。
 また、コンデンサーマイクできれいに録れない宅録環境はそもそも宅録の資格なし!と言われたらぐうの音も出ませんが、今までダイナミックマイクで録った音声で、音質リテイクをいただいたことはないことを申し添え、ダイナミックマイクで納品した音声をお使いいただいている動画リンクをはって終わりたいと思います(*´ω`)






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?