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パーパス起点のリフレクションを、新入社員とメンターでやってみた

自部署での実践に「Purpose Carving(パーパスカービング)」と名前を付けたのが2020年6月。後日、私は以下のような記事を書きました。

その後、経営層も実施し、グループ約13万人の会社における全社施策となり、さらには「HRアワード2022」企業人事部門優秀賞を受賞しました(さらっと数行で書いていますが、自分自身もびっくりです)。

最初は1on1の形で始めたPurpose Carvingですが、大人数でも実施できるよう全体を設計しなおし、今では以下の形式を主軸としています。
・4~40名前後(過去最大、800名で実施)
・Day1(1.5h)とDay2(1h)の2回形式
・オンライン

Purpose Carvingの構成

自分自身を掘りおこすライフリフレクションのワーク後、相互インタビューを行うまではDay1のセッション。

その後、セッションとは別の時間で各自個人のパーパスを言語化します。
Purpose Carvingは今のところ企業内で実施することが多いですが、個人のパーパスは決して「企業で働く」ことだけに閉じることなく、日常の中で不思議に思ったことや好きなこと、大切に想っていることの延長線上にもあると考えています。そのため、「自分のパーパスって何だろう」と考えながら日々を過ごしていただく時間をとっています。

Day1から1週間程度空けた後に開催するDay2では、各自言語化したパーパスを持ち寄り、対話します。Day1で会話したメンバーが、どんな風にパーパスを言語化したのか、楽しみに参加する方が多いセッションです。

個人のパーパスには、さまざまな広がりがあります

そして、一度言葉にしたパーパスを「磨き続ける(リカービング)」ことに関連した取り組みも始まっています。

経営層が個人のパーパスと変革への想いを話すラジオや、
さまざまな社員が個人のパーパスと仕事について話す「パーパスポッドキャスト」、
チーム内でパーパス札を作って誰のパーパスかをあてる「パーパスかるた」(盛りあがりますw)、
複数名でパーパス起点の振り返りをする「パーパスリフレクション」などなど。

最近では名刺にパーパスが入れられるようにもなりました。

名刺交換時に、個人のパーパスの由来を聞かれるようになりました
「○○会社の△△さん」とは違った形で覚えていただけるなと感じています

この記事では、新入社員とメンターで実施したパーパスリフレクションが非常に好評だったので、どなたかの参考になればと思い、書いてみます。


新入社員とメンターで、パーパスリフレクションを実施することになったきっかけ

2020年から私は、ほぼテレワークとなる働き方へと移行しました。

その中で、最近入社してきた社員の方(新卒、中途問わず)から以下のような声も聞くようになりました。

「自分の疑問を、誰に聞いたらわかるのかが、わからない
「社内の人との関係性が作りづらい

私の前職は人事で、新入社員向けの研修も担当していたことから、「私に何かできること、ないかな…」とぼんやりと考えていました。

そんな折、「やってみたいことがあるなら、うちの部署でどう?」と声をかけてくれた新人研修担当の方がおり、その部署の新入社員とメンター(※)で、パーパスを起点としたリフレクションをしてみることになりました。

※この部署では、新入社員1人に対し、メンターという相談相手が1名ついています。


パーパスリフレクションの進め方

新入社員とメンターのペア同士を2組にし、合計4人のグループを複数作りました。

その部門の新人研修期間の1か月間、毎週1時間オンラインで集まってもらい、対話する時間をとります(合計4回)。

4人だけでもうまく進められるように(=ファシリテーターなどがいなくてもうまく進むように)、対話を進めるためのPower Pointを配布しました。

配布したPower Pointの一部。
第1週目は、主に一人ひとりのパーパスとその背景にあるストーリーを聞きあいます。

あなたのパーパスとともにこの一週間を振り返ってみて、感じたことや考えたことは?」というパーパスを起点に今週を振り返り問いを話しつつ、徐回を追うごとに未来に想いを馳せる問いへと変化する。
そのような内容になっています。


やってみて、どうだった?

パーパスリフレクション実施後にアンケートを行い、また一部の方にインタビューをさせていただきました。

アンケートでは以下のような結果が出ました。

94%が「実施してよかった」と回答し、
75%がパーパスリフリフレクションへの再参加を希望

日々の中でパーパスを意識していない方が約半数おり、
そのうちの7割パーパスを意識するよう変化した。

また、7割の人が
業務に良い影響があった
挑戦や工夫が促進された
と回答し、別の質問では、キャリア形成や社内の関係性にポジティブな影響があったことも確認された。

また、インタビューでは「業務への良い影響としてどんなことがあったか」「挑戦や工夫の促進としてどんなことがあったか」をお聞きしました。
多く寄せられた意見について、概要を記載します。

・”この人だったこう考えるかも”といった他者の視点が得られた
・先輩のパーパスに影響を受けて、行動を変えた
・少人数で定期的に話すことにより、聞きづらいことも気軽に聞けた
・自分ではたどり着けない情報にアクセスできた
・先輩の業務上の工夫を聞いて、真似してみた
・皆さんの頑張りに刺激を受け、自分も新しいことを始めた


パーパスリフレクションをやってみたくなった人へ

この記事を読んで、「そもそもPurpose Carvingをやってみたい」という方がいましたらこちらを参考にどうぞ。

もし私と同じ会社の方で、パーパスリフレクションを実施されたい方は社内のメールでご相談ください。

個人としてやってみたい方は、こんな問いでリフレクションしてみると良いかもしれません(私も年末、この問いで振り返りをしています)。

①今週/今月/今年のあなたのパーパス充実度は?
②①の、その心は?
③今週/今月/今年、あなたのパーパスに最もせまった出来事は?
④来週/来月/来年、あなたとあなたのパーパスの関係性をより良くしたり、あなたのパーパスを体現していくために、あなた自身がやってみたいことって?

何か参考になる点があれば幸いです!

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