日本一詳しい!! 通信制大学のデメリット【完全版】
通信制大学にはどんなデメリットがあるの?
「通信制大学って行く意味あるの?」
「ちゃんと卒業できるのかな?」
「なんか馬鹿にされそうだし……」
「やっぱり通学制の方がいいのかな?」
こんな感じで、通信制大学に興味はあるけど不安でいっぱいの人もいますよね。結婚と同じで、出来れば入学前に悪い部分を全部知っておきたいものです。
卒業生だからこそわかる真実
そこで、通信制大学を最短の4年オールS評価の首席で卒業した私が、経験者だからこそわかる通信制大学のデメリットについて赤裸々に書こうと思います。これさえ読めば通信制大学のリアルな悪い部分が完璧にわかると思うので、是非最後までお付き合い下さいね。
通信制大学のデメリット
1, 学費が安いから簡単に諦めてしまう
通信制大学の学費は通学課程に比べて1/3~1/5以下。初年度は20万円ほどです。でも、この安過ぎる学費ゆえに簡単に投げ出してしまいがちなのです。「安いからまあいっか!」って。通信制大学に留年者と中退者が多い理由のひとつはこれです。通学課程に400万円の奨学金を借りて入学したら絶対卒業しなきゃってなりますよね。金銭的なプレッシャーがないことはデメリットにもなるのです。
※ 早稲田大学やサイバー大学など250~500万くらいする中退したら泣ける大学もあります。
2, 卒業率がとても低い
通信制大学の卒業率は約14%です。真面目に出席していれば卒業できる通学課程と違って、通信制大学は多くの人が卒業できません。あなたが入学式で出会う同級生のほとんどは卒業式の時にはいないでしょう。一方で、通学課程の卒業率は平均90%。東大、京大、早稲田慶應などの上位国立、有名私大に限れば98%なのでその差は歴然です。しかし、通信制大学の卒業率は大学によって5%~80%の激しい差があり平均を出す意味はほとんどありません。
卒業率の高さを自慢しているサイバー大学や産業能率大学で60~80%。日本福祉大学は54%。中央大学は25%。日本大学は22%。慶應大学は5%以下。その他の大学も10~50%くらい。しかも、これらの卒業率は通学課程より遥かに多い大量の留年者も含めた数字です。つまり最短4年での卒業率はさらに下がります。入学は楽ちんで卒業は地獄。通信制大学は欧米の大学とそっくりです。
※ 多くの大学は卒業率を公表していません。上記のデータは私が実際に各大学に問い合わせた情報と、国や大学の調査資料から独自に計算したものです。天気予報くらいの感じで参考にして下さい。
3, 就職の時に評価されない
日本社会では通信制大学の地位はとても低いです。就職活動の際に通学課程の人たちと同じスタートラインに立つのは厳しいです。特に22歳の新卒で就活をして大企業に入りたい人は覚悟しておきましょう。「差別」と言っても過言ではない扱いを受けることもあります。20代中盤以降、大卒資格、教員免許、臨床心理士、保育士、海外留学などの明確な目標がある人や、すでに就職している人にはこのデメリットは関係ありません。大学院進学や転職の際にはちゃんと評価されます。
4, 自由を手にする苦しみ
通信制大学は自由です。通学課程のようにみんなと同じ日に、同じ場所で、同じ科目を、同じ時間勉強しません。いつ、どこで、どの科目を、何時間勉強しようが自由です。家には自分を誘惑するものがいっぱいあるし、やらなくても誰にも何も言われません。この自由こそが、通信制大学が通学課程と比較してケタ違いに卒業率が低い最大の理由です。通信制大学の卒業率が低いのは勉強が難しいからではありません。自由だからです。誰にも強制されない環境の中で孤独に耐えて、124単位分のレポートを4年間書き続けられた人だけが卒業できるのです。
5, 勉強時間の確保が大変
大学や学部、個人の能力によって異なりますが、4年で卒業するためには毎日最低1時間、週末しか時間が取れない人は土日に6時間くらいは必要です。卒業までに最低でも50本くらいはレポートを書かなくてはいけません。1本3時間として150時間。慣れない間は難解な科目だと3日かかることもあります。不合格なら書き直しです。その他にも、単位認定試験を受けたり、参考文献を借りに図書館に行ったり、スクーリングにも行かなくてはいけません。仕事や子育てでヘトヘトの中できっちり時間を確保することは大きな課題です。
6, 就職活動のサポートが不十分
最近は通信制大学も就職支援をする大学が増えてきました。求人の斡旋、面接対策、キャリア相談、インターンシップなどです。それでも通学課程に比べると手厚くはありません。「卒業後は自分で勝手にどうぞ」という大学もあります。
7, 困ったときにひとりぼっち
勉強をしていると色々な場面で行き詰まるのは通学課程も同じ。でも通信制大学は隣に友達がいません。同じ環境で同じことをしている人がいないというのはとても不自由なもので、何をするにもこれで本当に正解なのか?みんなはどうしてるの?と不安になっていきます。そもそも通信制大学は何をするにも口頭での説明を受けないわけで、些細な事務手続きから単位認定試験に至るまで、すべて大学のマニュアルを読んで進めることになります。これが細かな誤解を生んで想像以上に厄介なのです。メールをしてもすぐに返事は来ないし、いちいち電話するのも面倒だし。スムーズに勉強を進めていくためには大学側が求めているものを読み取る能力と、ある程度テキトーにやる強引さが必要です。何事も自己解決できない人は苦労するでしょう。
8, スクーリングが厄介
すべての通信制大学には、実際に学校に行かなければならないスクーリングというものがあります。4年間で最短1週間~長くて50日間ほどですが、これをクリアしないと卒業できません。オンラインで済ませられる大学は僅かで、大体は登校が必須です。これには大きく分けて三つのデメリットがあります。
1, 地方在住者に不利
ほとんどの大学は都市部にあります。家から遠い大学に入った人はスクーリングのために予定を空けて交通費と宿泊費を負担しなければなりません。子供がいる人は預け先の確保も必要です。そのため通信でも実際に通える範囲の大学を選ぶ必要があります。「何のための通信だよ?」って気もしますが。遠い大学を選んだ人は旅行気分で乗り越えましょう。
2, 仕事の休みと日程が合わない
スクーリングは金土日や長期休暇の時期が多いです。サービス業の人はスケジュール的に厳しいことがあります。入学前に希望校のスケジュールを確認しましょう。
3, 人見知りの人にはつらい
「誰にも会いたくないから通信制にしたのに!」みたいな人には厄介です。全員初対面の職種も年齢も異なる人ですから。誰とも喋らず静かに授業を受ければいいだけですが、グループワークなどもあります。まあ、みんな大人なのでイジメもないし数日の我慢だから大丈夫。
9, 馬鹿にされる
はっきり言って通信制大学は馬鹿にされます。位置付けはFランク大学のさらに下です。「通信制大学です」と言うと、あっ…みたいな顔になって一瞬変な空気が流れます。人によっては「それって大卒になれるの?」「ユーキャンみたいな感じでしょ?」とか言われます。通学しないだけで学位も資格も通学課程となんら変わりないのに「通信」というだけで馬鹿にされます。日本社会ではまだまだ「通信=ワケアリ、不良、貧乏」みたいなイメージがあるのです。無知と偏見に満ちた他人の意見に一喜一憂してしまう人にはデメリットでしょう。一方で、他人に何を言われようが気にならない人には無害です。こんなことで自分の一歩を諦めないで下さいね。馬鹿にされたって学位はちゃんと貰えますから。
10, 本をたくさん読まないといけない
通信制大学は通学課程よりも読書量が多めです。授業がない分の情報量を補うためでしょう。難解な科目だと3000文字のレポートのために10冊以上の参考文献を読むことも普通です。興味がない科目の分厚い本を読むのは拷問です。しかも全部読まないとレポートが書けないような意地悪な課題になってたりします。そして専門書なので異常に高価です。レポートを書き終えたら一生読まないのに買うのも馬鹿らしいので図書館に行くしかありません。普段から年に一冊も本を読まない、文章はスマホのニュースとTwitterくらいしか読まないという人には地獄ですよ。
11, 夢のキャンパスライフは存在しない
学食で見かけた素敵な人に一目惚れしたら翌日たまたま授業で隣の席になって恋に落ちて…みたいな甘酸っぱい青春のキャンパスライフはありません。学校に行かないので。その代わり、通学課程では絶対に出会えない異なる年齢や職種の人たちと大人な時間を過ごすことはできます。
12, パソコンとネット環境に設備投資が必要
卒業に向けて効率良く勉強をするためにはパソコンと光回線の環境が必須です。大学によってはWindowsOSのPC、Office製品のインストール、光回線の導入を要件にしているところもあるくらいです。稀にスマホやタブレットだけで学習している人もいますが効率が悪過ぎます。安定した光回線もメディア授業をスムーズに見たり、単位認定試験を受けたりするのに必要です。特に試験は制限時間もあるし、不安定だと途中で回線が切れて単位を落としてしまうこともあります。これらを揃えるのに最低5万円くらいは必要です。
※ 私のおすすめPC環境
私は入学当初、15インチのノートPC1台でやっていましたが全く話になりませんでした。例えばレポートを書く場合。文章を書くWord、実験データを見るExcel、参考文献のPDF、大学の課題ページ、細かな情報を検索したウィンドウ数枚が必要です。これらを1枚のディスプレイで切り替えながらレポートを書くなんて馬鹿げています。私は2年生からデイトレーダーのように3枚のマルチディスプレイにタブレットとスマホの合計5画面でやっていました。大袈裟に思えるかもしれませんが「なんで1年生からこうしなかったんだー!」と後悔したほど勉強時間が短縮できました。こんな感じ↓
読んでくれてありがとう
長くなりましたが、私なりに自身の経験から通信制大学のデメリットを網羅したつもりです。他にも嫌な面は多々あった気もしますが、嫌なことは忘れちゃうものですね。この記事が通信制大学に迷う人の参考になったのなら嬉しいです。
※ 通信制大学の良い部分も知りたい方はメリットを集めたこちらの記事もご覧下さい。
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