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未経験ひとり広報が1年目にやってよかった7つのこと

もうすぐ広報になってから丸1年を迎えるので、事業会社のひとり広報としてやってきたなかで「やってよかった!」と思うことをまとめてみます。
書き出したら結構あったので7つにしてみました。(7つのマイルールを紹介する某番組を意識)

自分の振り返りと記録のためではありますが、初めて広報になった方やひとり広報で何をしていいか悩んでいる方が、これを読んで「こんなやり方もあるんだ〜」と部分的にでも参考になったら嬉しいです。
(長文なので気になる項目だけどうぞ…!)



1)広報関連の本を読む

広報になって最初にやったのが、広報関連の書籍を読むということ。
自分の状況(ひとり広報、中小企業)に向けて出されているような本を中心に、約2ヶ月をかけて7~8冊読みました。ネットやSNSで評判の良いものを選ぶのもいいですが、書店で実際に手に取り中身を少し読んでみて決めるといいのかなと思います。

何冊か本を読むうちに、言い回しや表現は違えど大体【どれも共通していること】と【本によって解釈や考え方が違うこと】に二分できることに気づきました。共通していることは素直に自分の中にインプットし、本によって異なることは、自分や会社に合いそうなものを取り入れる、というふうに取捨選択していきました。

(広報になってすぐの頃に読んだ本たち)

これらの本は丁寧にメソッドを教えてくれているので、広報業務の全体像を把握した後に、「これは私でも出来そう」とか「うちの会社はこれが優先だな」と感じたことをピックアップして、半年先ぐらいまでのスケジュールにざっくりと落とし込んでいく作業をしました。
これをしたおかげで、やること迷子にならずに業務計画に沿って仕事を進めることができました。

元々読書はあまり得意ではないので、正直最近は広報関連の書籍を読んでいません。ただ、世の中の動きや広報のトレンドを抑える意味でも定期的なインプットは大事なので、毎月『広報会議』と『宣伝会議』を読むようにしています。(着任後すぐに上司にお願いして定期購読中。ありがたい)

余談ですが、マーケター向けの『宣伝会議』もすごく為になっています。広報の理解を深めることがなにより大事ではあるけど、マーケティングの時流を押さえておくことで視野が広がるので、広報業務をする上でもプラスになっています。(普通に難しいし理解できない内容も多々あるけど)


2)無料セミナーや勉強会に参加してみる

本を読むのと並行して、広報関連のセミナーや勉強会も積極的に出るようにしました。意外と無料でやっているものも多くて、「これ無料でいいの?」ってぐらいに濃い内容のものも。

例えばプレスリリースがテーマのセミナーにしても、「メディアの人が求めるプレスリリースとは」のように一歩踏み込んだ内容だったり、実際にメディアの方が登壇したりするので理解度が一気に上がります
しかも地方広報にとっては、オンライン開催が多いのも本当ありがたい。
インターネットやSNSで探すといろんな会社や有識者がこうした広報関連のセミナーを定期的に開催しているので、まずは無料のものからでもいろいろ参加してみるのが個人的におすすめです。

広報さんが集まる勉強会や交流会も探せば結構あるので、これも時間が合えば積極的に参加するようにしていました。
自分と同じように広報なりたての人と悩みの共有をしたり、ベテラン広報さんからはアドバイスをもらったり。キャリアも業界もバックグラウンドもさまざまな広報さんと出会える勉強会や交流会、私には有益でしかなかったです。

(PR TIMES主催のセミナーは札幌開催もあった)


3)X(旧Twitter)の個人アカウントを運用する

これは私が読んだ広報関連の書籍のなかで「Twitter(現:X)のアカウントを開設してみましょう」というのを見かけたので素直に始めてみました。
それまでの私は、Twitterはプライベートのアカウントを持っていたけど、主にニュースや友人の近況を知るためだけに利用するいわゆる“見る専”。頻繁にSNSで自分の言葉を発信することにやや抵抗がありました。

とはいえ本にも書かれていたし、試しにやってみて合わなければやめたらいいかぐらいの軽い気持ちで、情報収集&勉強目的でTwitter運用を始めることに。せっかくやるなら私きっかけに会社のことを知ってもらえたらいいな〜と、社名を背負ったアカウント名にしました。
この【会社名を出すか・顔写真を使うか問題】は慎重に判断すべきなのですが、じつは誰にも相談もせずに勝手に社名と会社で撮ってもらった自分の写真を使ってアカウントを開設しました。(数日後に上司に報告したけど、今思えば軽いノリすぎたな…笑)

X運用から得たものは非常に多いので、これはまた改めてnoteに書くとして、本っっ当にXを始めてよかった!!

約1年間、ほぼ毎日投稿と交流を心掛けて運用してきましたが、得たものが多々。

<個人X運用で得られること>
・他社の広報さんと知り合える
・メディアの方と繋がりを持てる
・勉強会や交流会の情報を得られる
・広報のトレンドや知識を得られる
・140文字で伝えたいことをまとめる力がつく
・日々の生活でネタ集めをする癖がつく
・自分の会社やサービスのことを知ってもらえる

社名を背負うプレッシャーを感じることもあるしたまにSNS疲れもするけど、それ以上に得るものが大きく、私きっかけで会社を知ってもらう機会ができたのは非常によかったと思います。

そしてなにより人との交流が楽しい。毎日投稿をすることで気軽にやり取りする広報さんも増えて、そこからオンラインで情報交換をしたり実際に会って話したりできるまでの関係に発展したパターンも。
地方広報という地理的ハンデをカバーするなら、Xを使わない手はないのではと感じます。

1年前までたまに見る程度だったXですが、今ではどっぷり。笑
(業務時間外での運用も常態化してきているので、その辺りの線引きや運用方法見直しは今後の課題…)

Xのアカウントはこちら。広報さんに限らずフォロー大歓迎です。


4)社内で広報布教活動をする

それまで社内にいなかった広報専任者。いなくても会社として成り立っていたわけだから、「なりそが広報担当になったけど何か変わるの?」って思われてもしかたない。だからこそ、広報の役割や意義・今後どんな動きをするのか ということを社内の人たちに知ってもらう必要があると考えました。

いきなり全社員(約60名)に向けて、「広報とはなんぞや!」と説く自信はなかったので・・ひとまずマネージャー層に向けた広報勉強会、代表との1on1 などを実施。
こうした時間をとることで、広報への社内認識を統一する以外にも多くの収穫がありました。

<広報布教活動からの収穫>
・会社がどこを目指していてCEOが何を考えているかを把握できた
・会社や現場が広報に期待することを知れて、広報業務の優先度が見えて業務計画が立てやすかった
・書籍やセミナーで得たことをアウトプットすることで、自分自身の広報理解を深められた
・各部署(サービス)の責任者とコミュニケーションを取ることで、協力してもらいやすい体制ができた

広報業務はなにかと各部署に協力してもらうことが多いので、早めに広報に対する社内理解を得たのは、“仕事しやすい環境を整える”意味でも非常によかったです。


5)広報用の会社案内を作成する

私が広報担当になるまで、恥ずかしながらメディア向けというか外部向けの会社案内がありませんでした。採用担当をしていた頃にペライチのそれっぽい資料を使っていたけど、メディアの方に送るには情報が薄っぺらすぎる…!
これではいざメディアアプローチするにしても取材対応するにしても、絶対困るぞ・・と思い、わりと早い段階で広報用の社外向け資料を作ることにしました。

前項で触れたように、代表インタビューをしたことで会社の方向性や今後の展望などをヒアリングすることができたので、それらを反映させつつ、メディアの方に伝えたい内容(事業内容や社会への影響、業界全体や市場の話など)を盛り込んだ10Pほどの冊子にまとめることに。

紙媒体の編集は好き&前職の経験もあって、台割からラフ、ライティング、編集全体まで一人で黙々と進められて、納得の形に仕上げることができました。

<広報用パンフレットを作成して良かったこと>
・会社の方針、強み、今後の方向性など再認識&可視化できた
・逆に広報的な弱みや課題も見えた
・プレスリリースなどに転用しやすかった
・メディアの方と話す際の手元資料として役立った
・広報以外の部門でも活用してもらえた
 (人事や事業担当者から使わせほしい!と言ってもらえた。嬉)

ちょっと手間はかかりますが、広報業務の頼れる助っ人にもなるので、会社案内を作ることは特にひとり広報さんにはおすすめです。

(デザインは社内デザイナーに依頼)

定期的に中身の見直しをして、修正や内容差し替えをする必要はありそうですが、今後もメディア含めてステークホルダーに会社の紹介をする際にはどんどん活用していこうと思います。


6)相談できる広報仲間をつくる

ひとり広報だと日々の業務で悩んだり、これでいいのか‥?と不安になることも多々。そんな時に連絡をとって壁打ち相手になってくれる広報さんがいるのは心強いし勉強になることばかりです。
記者さんを繋いでもらったことや逆に繋いだこともあり、広報業務をする上では横のつながりづくりは重要だったなと感じています。

私の場合、特に意識していたわけではないけど、たまたま自分の立場や状況に似た広報さんとXを通じて仲良くなれたので、仕事の相談もしやすかったです。

<Xで仲良くなれた広報さん>
 ⚫︎事業会社の広報さん
 ⚫︎IT業界の広報さん
 ⚫︎未経験ひとり広報さん
 ⚫︎地方企業の広報さん
 ⚫︎ワーママ広報さん   etc…

繋がりをつくるのはX以外にもいろんなやり方があると思います。
私も、オフラインのセミナーや交流会に参加したり、学生時代の友人に広報経験者を紹介してもらったりして、気軽に相談できる関係をいろんなところに作るようにしました。
(経験豊富な広報さんや、大手企業での経験がある広報さんにいきなりXで距離を詰めるのは私には少しハードルが高く、そういう関係は案外Xじゃない方がすんなり繋がれた…)

闇雲に多くの人と繋がればいいというものでもない気がするので、 最初は“狭く深く”を意識してみるといいかもしれません。気兼ねなく相談できてしっかりと深い話ができる関係を構築&継続していくことが大事なのかなと個人的には感じています。(徐々に“広く深く”にしていきたい…!)


7)とにかく色々やってみる

結局これが1年目はこれに尽きるのかなと。
広報に限った話ではないですが、1年目未経験&ひとりポジションなんて、全部自分の経験になるんだから逆においしい立場ぐらいに私は思っています。会社も前例がないことへのチャレンジに対してストップをかけることはなかったので、とりあえず気になること・やってみたいと思ったことは手を出すようにしました。

便利な世の中なので、広報手法は本でもネットでも調べたらいくらでも出てきます。加えて広報界隈は積極的に情報発信している方達もすごく多い。
(情報の出所や真偽は多少気にした方がいいけど)
こうした情報源に頼りに、“自分で調べてやってみる” を繰り返しながら、できることを増やしていったのがよかったなと思います。

<おそるおそるながらもやってみたこと>
・メディアの方にdmを送る
・気になる記者さんに直接リリースを送る、電話する
・東京出張へ行く(メディア訪問や広報交流会参加)
・100人超の広報交流会に参加する
・↑の前でピッチさせてもらって会社PRをする
・記者クラブに投げ込みする
・調査リリースを出す
・会社公式noteを始める

なんだか偉そうに書いているけど、私も普通にビビりなので、記者クラブに電話1本するのもどきどきでした。でもやってみれば案外なんでもなかったりするし、一度でも経験すれば自信に繋がります

もちろん1回やっただけでは、これで正解なの?とわからないこともあるし、本当はもっと違うやり方があるのかもしれない。
でも「とにかく色々試してみる」を繰り返すことで、少しずつ正解が見えてくるだろうし、自分で正解にしていくこともできるだろうと思います。

(広報交流会で会社PRをさせてもらった良き思い出)



7つも書いたらだいぶ長くなってしまいました。

でも、自分の仕事を振り返って思いを言語化する作業は苦痛でなかったし、不安になりながらもやってきたことを自分で肯定できたような気がして、なんだかよかったです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

ひとり広報2年目も、1年目の経験をフルに活かしていろんなことに取り組んでいきたいと思います!


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