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ミスマッチングとコミュニティ

久しぶりの投稿です。
Web制作会社やブロックチェーン系のスタートアップで働き色々経験させてもらいその後身体を壊した経緯もありフリーランスとしてエンジニア生活を送ることになりました。

その最初の出だしで現場とミスマッチングしたお話。

フリーランスと聞くと「自由」とか「楽しそう」とか色々いい意見が出ることが多いと思う。でもそれだけじゃなく辛い部分や考えさせられることもそれなりに多い。今回の「ミスマッチング」は後者の考えさせられる部分に当てはまる内容だと思う。

僕は2年と少しエンジニアとしてキャリアを持ってそれなりに勉強もしてきた。そして環境にも人にも恵まれたおかげでそれなりにRuby, Python, Vue.js, React.jsなどの言語は業務レベルで触れるようになった。

今回フリーランスになる際も技術的な条件はどちらかというと触ったことがある技術を中心に新しい技術を触れるところを探して7社ほど面接して4社からオファーをいただいた。その中で選んだ会社がRubyを触りながら新しい言語(Java系の最新言語)を触ることができるところだった。

(面接の時点の話では.....)

実際に参画してみるとJava系言語中心でRubyはほぼ触らない。フロント側もあまり馴染みが無い技術だった。まぁキャッチアップすればいいか、、と思いいつもの感じでキャッチアップを始めた。

が、甘かった。

その企業にはその分野のトップクラスの人材が3人ほど在籍し開発体制もスクラム体制だった。(スクラム:1週間単位ほどでゴールを設定し毎週成果をみんなで可視化する開発方法)

つまり、1週間単位で「自分のアウトプットをみんなの前で発表する」という状況。それをフリーランスという立場で行う。これが何を示すかというと会社に所属していないがそれなりに技術を持って貢献するという立場なため入社してから成果を出すまでにそれなりの即時応答性が暗黙的に求められるということだ。

ある程度の技術レベルの企業であればキャッチアップ期間があっても許されるかもしれない。しかしそこはトップクラスだった。

日に日についていけてない感が募り自分の時給とその成果に対するズレを感じ始める。(この感覚が経験ある人はわかると思うが意外ときつい)

このあたりでミスマッチを激しく感じた。

でも実はミスマッチ自体は最初から少し感じていた。

エンジニアが最初に企業に入ってすることと言えば「環境構築」。

環境構築とは自分が開発するシステムをローカルのPCで再現すること。
その会社で最初に言われたことは以下だった。

「環境構築終わったら声かけてください。」

(「お〜ドキュメントの説明とか何もなしか....」)

とりあえず試されている感もあったので自力でドキュメント探して詳しい部分はある程度自分で把握した。やってみての感想だが正直ドキュメントが完全では無いので「一人でやってください」のぶん投げは割と容赦無い感じだった笑。(結構複雑なシステムで普通の環境構築とはちょっと違う)

まぁでもそれくらいできる突破力的なものを求める場所だった。その作業が終わり、次にタスクを渡された。

タスク自体はギリギリできそうだなぁこれくらいなら、という感じで何とか2日目でタスクも終わらせた。

が、特に感想もなくメンターさん(その分野のトップレベル)は次のタスクを振る。

この辺りでミスマッチしてるなぁと強く感じた。

色々理由を分析したが複数あった。

1つは自分の技術スタック。

2つ目は単純にメンターとの性格のずれ。

3つ目はその技術のコミュニティに起因するように思えた。

3つ目についてだが、プログラミング経験がある程度ある人はわかると思うが、言語には開発コミュニティが存在する。そのコミュニティの中にいるエンジニアは結構仲が良くカンファレンスや書籍の共著など様々な活動を行なっている。

その企業はまさにそのコミュニティをマネジメントする層の人が複数いた。
ある日面接にきたエンジニアはそのコミュニティに属する方で比較的有名なエンジニアさんだった。明らかにメンターさんの対応が僕に対するものとは違った。言葉の使い方も表情も。

そりゃまぁサークルみたいなもんだし仕方ないよなぁと思ったがやはりそこで大きくミスマッチを感じた。

彼らは気づいてなかったと思うがその暗黙的な村社会感は外部の人にとっては凄まじく居心地が悪く感じる。大学の時にサークルの内輪ノリが新入生歓迎の時にマイナスに働いたりする現象と同じだと思う。

そういったズレを強く感じそれほどサポートが受けられる状況でも無いのでメンターさんとの言葉数も少なくなり(最後らへん言葉交わしてなかった)契約変更を即決した。

正直自身に関しての問題だけではミスマッチの原因が説明つかないのでやるせない感じにもなったが案外潔く去ることができた。

最終日は面接をしてくださったエンジニアさんがランチに連れて行ってくれてその辺りのことを深く謝罪された。その人はコミュニティに起因した違和感に対する自分の分析を伝えると「その通りで悩んでいる」とおっしゃっていた。「中心にいるエンジニアのそういうバイアスが存在する限り組織が上手くいくことってないんじゃない?」と頭の中で考えながら状況について改善したいとおっしゃっていたので頑張ってほしいと伝えた。その人とは別の場所でまたお会いして一緒に仕事できたらなぁと思う。

案外ちゃんと見ていてくれる人もいるもんだと思い深く感謝した。

最後は愚痴っぽくなるが最終日の最後は引き継ぎとかそういったことをする前にエンジニアさん達が飲み会に行って「俺どうすればいいの?」って感じになったのでキリいいところでメッセージだけ残して退社した。(ここだけはありえんだろwと思った。)

ここまでで全部を細かく書いてはないがだいたいの事実を書いた。

ここからは「今回のことはどうすれば起きなかったか?」の分析を書く。

まずフリーランスという立場への理解の甘さだ。
フリーランスという立場はいわゆるその分野の「プロ」だ。できること前提。最新の技術を得たい希望が強すぎたんだと思う。そこは少し反省すべき点だと思う。できる技術8割、新規2割くらいの割合で案件を取るべきだと思う。ストレス的にもその方がいいと思う。

次に内部の開発環境について面接で細かく聞いていなかったこと。そして雰囲気や今まで辞めた人について聞かなかったことかもしれない。

正直コミュニティに深く依存している開発者が複数いるチームに所属したことがないのでその辺りを探ることは不可能に近くどうすることもできなかったがこれを読んだ人は是非現場参画の際は参考にして欲しい。コミュニティにいるということは「コミュニティ以外の人を信頼しにくいバイアス」がかかっている可能性が少なからずあるということでもあると思う。

で、今回一番大事なんじゃないかと思うのが「どれくらいのレベルのタスクをどの速度で捌いているか」聞くことだと思う。

だいたいこの質問で自分が参加した際のイメージを把握することができたりその質問によって相手にそれを求めているか、最初は慣れないからゆっくりでいいと思ってくれるかまで聞くことができる。なるべくこの質問は具体的にすべきだと思う。

今回の経験は正直しなくてもいい経験だったのかもしれない。
でも今回ここで記事にしたいなと思うほどの想いを持ったので、誰かに届いて世の中のミスマッチングが少しでも減るならそれはそれで世の為だと思う。

アイキャッチの写真はこの前行ったハワイでの夕日。今の気持ちは一旦色々経験して「第一部終」という気持ちなのでまた日が昇るように頑張っていこうと思う。

次は慣れ親しんだ技術での開発なので今回の経験を糧にそこで役に立とうと思う。個人開発で新しい言語やアーキテクチャを触りながら新しい技術もつけていこうと思う。

ではまた〜



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