27歳男がコロナ禍で摂食障害になった話

私は去年のコロナ禍、外出自粛による体重増加を避けるため、ダイエットを始めました。

その結果、摂食障害になりました。

ダイエットのきっかけはほんとに単純なことです。外出自粛で運動不足になっていることにちょっぴり焦りを感じ、何気なく一冊のダイエット本をKindleで読み始めました。

その本は食事管理と筋トレによるダイエットを推奨しており、おそらく巷に出回っている多くのダイエット本と内容は同じようなものです。

ただその本が私にとって印象的だったのは、PFCバランスとその推奨摂取量、また身の回りの食材のそれら含有量が事細かにg単位で提示されていたことでした。

元々生真面目な私にとって、各栄養素の摂取量が具体的な数値で明記されているその本は、当初は大変参考になりました。自分の身体の変化を見て調整するより、糖質○g!脂質○g!タンパク質○g!と示された方がわかりやすく、何より始めやすかったのです。

最初の2ヶ月でスルスルと3〜4kgの減量に成功しました。そして、体重の減少と引き換えに、生活がおかしくなり始めたのはこの頃です。

私の意識の中で、本で示されていた各栄養素の推奨摂取量が、いつの間にか絶対に超えてはいけないデッドラインのようになっていました。PFCバランスがg単位で判断できないものは口に入れることすら躊躇するようになり、明らかに脂質・糖質過多な揚げ物やお菓子は一切食べられなくなりました。

そんな過剰な食事制限を自分に課していた一方で、チートデイと称してお菓子や高カロリーなものを度々爆食することでそのストレスを誤魔化していました。初めはチートデイ=好きなものを好きなだけ食べる日、だったのに、いつの間にかチートデイ=身体に悪いものを限界まで摂取してよい日、という認識にすり替わっていました。美味しく感じていなくても、今日を逃したらまたしばらく食べられない、という意識から、ここぞとばかりにフライドポテトやお菓子ばかりを詰め込んでいました。

そして翌日はそのチートデイへの強烈な罪悪感から、絶食に近い食事量と無茶な筋トレとランニングをしてなんとか体重をチートデイの前に戻そうとする、そんな日々を繰り返すようになっていました。

こうなると、日常での気分の浮き沈みがめちゃめちゃ激しくなります。仕事のチームメンバーや彼女、友人のちょっとした発言や行動に過敏に反応し、すぐイライラするようになっていました。

今思い返せば、体重を落とすことと引き換えに、人生の大切なものの多くをどんどん手放していたように思います。

それでもそのダイエットは辞められない。はっきり言って地獄でした。

続く





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