信岡さん家のサンタさん(JK編)シナリオ
(文末に解説があります)
ナレーション(以下、ナレ)
こんにちわ。信岡ひかるです。
「恋人がサンタクロース」なんて歌がありますけど
クリスマスに振られると最悪ですね。
これは私が17歳の時の悲しい思い出です。
(音楽)
「JK編」
ひかる「ウッウッウ〜ブエーン。(泣いている声)
「あぁ、まじ超最悪。今日こそ先輩のハートを
ゲットするはずだったのに」
ナレ
この頃のひかるはメガネに三つ編みという優等生キャラでした。
でもこれは仮の姿。
ひかるは中学生の時はちょっとヤンチャをしてい
て、いわゆるヤンキーでした。
でも、二つ年上の先輩に一目惚れ。
先輩は真面目な生徒会長でひかるとは正反対のキャラで話しかけることはできませんでした。
先輩が卒業し、2年になったひかるはヤンキーキャラを封印
同じ高校に行くため、一生懸命勉強しました。
暗記は得意だったのでみるみる成績は上昇。
一緒に悪さをしていた友達からはdisられまくり。しかし、いちゃもんを付けられる度に影でこっそりシメてました。
三年生になる頃には生徒会長と裏番長を両立して、学校を表と裏から支配
もとい、平和を守っていました。
そして今年、晴れて先輩のいる高校に入学。
先輩に近づくために早速生徒会に入りました。
文化祭、体育祭と学校行事を仕切ってるうちに二人の仲は急接近。
幸い、先輩は中学時代のひかるのことは覚えていませんでした。
そんなこんなでクリスマスの初デートまでこぎつけたひかるでしたが
デートを邪魔してきたヤンキーをボコボコにしたため、先輩はドン引き。
「ごめん。用事があったんだ」と言って、逃げるように帰ってしまいました。
そこに雨まで降ってきて私はずぶ濡れ。
先輩だけじゃなくて、雨にも振られてしまいました。
心身ともに疲れ果てたひかるはケーキとチキンを買って家へと帰りました。
お部屋は真っ暗です。この頃のママは夜勤で忙しくて、ひかるとはいつもすれ違いでした。
実は中学の時にヤンチャしてたのはそれも原因だったのですが、気の強いひかるは寂しいとは言えませんでした。
でも、今はもう慣れました。
ひかる「でもまぁ、今日は一人でよかったかな」
ナレ
このまま、何も考えずに布団に入って寝てしまおう。
ひかるは部屋に入りました。
かちゃ。(部屋の明かりをつける音)
ひかる「えっなに?」
クリスマスツリーの横にはプレゼントが置かれていました。
プレゼントの横にはカードがありました。
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Dear.ひかる。
いつも寂しい思いをさせてごめんね。
どんな姿をしていても、あなたが良い子なのは
知ってますよ。
素敵な女の子に成長してね。
あなたのサンタより。
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ひかるは泣きながらプレゼントの包装紙をビリビリと破きました。
ひかる「わぁ、テニスのラケットぉ!」
「サンタさん。ありがとう。私、今からテニス部に入ってウインブルドン
を目指す!」
その後、ひかるはウインブルドンには行けませんでしたが、大学のテニスサークルに入りました。彼女のサーブさんみたいな素敵な大学生を装い、モテようと思いましたが、また本性が出てしまって大変なことになるのですが
それはまた別のお話。
「BGM」フェイドアウト
成馬零一による「JK編」の解説
物語としては、ひかるさんが子供から大人になるという対比でできているので、JK編は、わりと何でもありというか、自由に書けました。漫画の『ヤンキー君とメガネちゃん」や『マジすか学園』のイメージですかね。普段は猫被っておとなしくしてるけど、実はめちゃくちゃ強いっていう。
多分、独立したエピソードとしては一番楽しめるのではないかと思います。登場人物が一人で一人称で進んでいくので物語的な面白さもあります。
最初は失恋したひかるさんが泣きながら家に帰ってきたら、部屋にサンタさんからのプレゼントがあって~というイメージだけだったんですけど、大人編のヤンママ設定が先にあったので、じゃあ、その間に何があったのか? って逆算から、中学の時は不良で、好きになった生徒会長に近づくために真面目なキャラに変わったという元ヤン出身の三つ編みメガネという真面目キャラに変わっていきました。
最初の打ち合わせでだいたいのプロットを決めてから、フォトブック用の撮影がありまして、衣装に関しては、基本的にひかるさんにまかせていたのですが、そしたらセーラー服に三つ編みメガネって格好を選んだんですよ。正直、最初はそれはどうだろう? って思ったんですけど、衣装で出てきたひかるさんが思った以上にハマってたし、ヤンキー設定ならそれでもいいかと撮影をはじめました。
今回は打ち合わせ→フォトブック撮影→執筆→リハーサルいう順番で作っているせいか、撮影してからビジュアルのイメージを取り入れて物語が変わったものも多いです。
プレゼントのテニスラケットはゲストが「彼女のサーブさん」だったからで、これはすんなり決まりました。その後の大学生編も自分で書いてて面白そうでしたね。チャラいサークルに入ってモテようとしたらヤンキー気質が出てケンカしちゃうとか。Reel vol2のラジオの時も30代後半の信岡ひかるの設定を考えたのですが、その設定を考えるのは楽しくてすらすら出てきます。
声の直しはほとんどなかったんですけど「夜勤」という単語の発音が自分が考えてるものと違ったんですよね。それをひかるさんに指摘したら、ピンと来てないみたいで、細かく聞いてみたら、どうやらそれは彼女の出身地である北海道のなまりだったみたいです。だったら残そうという感じになったんですけど、それが大人編につながっていくのが面白いところです。
音源データはこちらから購入可能です。
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