信岡ひかる 新曲「Crazy amazing」発売記念 小林清美インタビュー(後編)「私が出ることでこの子たちに注目が集まれば」
インタビュー前編では小林先生が楽曲提供した信岡ひかるの新曲「Crazy amazing」の話を中心に伺った。
後編では小林清美先生本人についてのお話を伺っている。
この日は、小林先生がバラエティ番組「ゴッドタン」(テレビ東京系)の「このツイッターが心配だ」特集に出演した直後だったため、その話題で盛り上がった。歌はもちろんのこと、ご本人のキャラクターにも注目が集まっている中、小林先生はどこに向かおうとしているのか?
特集 小林清美 Part2
小林清美インタビュー(後編)
「私が出ることでこの子たちに注目が集まれば」
(撮影 神田茉結子)
—— 昔、先生が、山奥にこもっていたという話を聞いて、ずっと気になっていたんですよ。篭っていたのはスクールを始める前ですか?
それは働いている時です。その時は大失恋して「こんな世の中に関わりたくない」って思って。でも仕事をしないと食べていけないじゃないですか。だからレッスンの時は山から降りてきて、レッスン終わったら山に帰るという暮らしをしてました。片道二時間ぐらいかかりましたね。
甲府の一番標高の高い場所に住んでいたのですが、熊が出るんですよ。熊。途中でブーンってサイレンが鳴って「熊が出ました。熊が出ました。みなさん避難してください」「鍵をかけて部屋の中に入ってください」ってアナウンスが流れるんですけど、鍵かけたって熊が叩いたらバリって破れるから意味ないですよね。
—— 完全に山に引きこもっていた時期があったのかと、ずっと思っていました。
それは一ヶ月くらいかな。その時、たまたま大雪が降った時期があったんですよ。遭難者も出てニュースになったんですけど、その時に降りられなくなって食料が尽きて水しか無くなって死にかけましたね。
飛弾せりなというアニメを作ったら
彼女が声優になれるじゃないかと思って。
—— 話が脱線してすいません。どうしても山ごもりの話が聞きたくて(笑)今回は先生の最近のお仕事について伺いたいと思います。まずは 「カード戦士 飛弾せりな」について教えてください。
彼女(飛弾せりな)は元々、私の教え子で声優志望だったんですよ。それで、ある事務所を受けたら「(多額の)お金を払ってくれ」と言われて、騙されたんですよ。それで泣いて電話をしてきて「先生どうしよう。私、東京に出てきたけど、事務所が最悪のところで騙されました。どうしましょう」って言われて「かわいそうだなぁ。じゃあ、先生がなんとかしてあげようかな」と思って。でも私はアニメの歌は歌ってきたけど声優をやっていたわけじゃないわけですよ。
音楽事務所だから声優というのは難しい。
じゃあ、自分で作ろう。
「飛弾せりな」っていうアニメを作ったら彼女が声優になれるじゃないかと思って。それで彼女に好きなアニメを聞いて、それを総合して、カード(トランプ)を投げて戦う設定にすればいいなって思って「カード戦士 飛弾せりな」という架空のアニメの設定を作りました。
設定も、片親でお母さんを助けるために歯科衛生士の助手としてアルバイトしているっていう、そのままですね。
—— 架空のアニメでありながらノンフィクションでもあるんですね! 「カード戦士飛弾せりな」のプロジェクトは先生の中では、どれくらいのところまできているんですか?
まだ序章ですよ。私のやりたいことは壮大で、まだまだです。
—— 今は第6話ですから、6曲ですか?
オープニング曲も含めれば7曲ですね。12話まで行ったらアルバムにしよう思ってまして。あとは上映会をやりたいです。
—— K&Mミュージック新宿店にプロジェクターを入れるとおっしゃってましたよね。
今年、プロジェクターを入れてそこに絵コンテを写して、彼女が台本を読む姿をライブで見せようと思ってます。
——「第~話「カード戦士飛弾せりな」〜編」というタイトルが延々と続いていくのが、面白いですね。
これは最初に決めました。虎舞龍の「ロード」みたいなものですよね。これは彼女(飛弾せりな)が辞めるまで続けて、ギネスブックに載るぐらい続けようかなと。だからあの話は終わらないんです。
—— 今の飛弾さんのライブでは「カード戦士 飛弾せりな」の曲をオープニングから順番に歌っていて、まとめて聴くと、衝撃がすごいです。
曲が揃ってきたので、逆に時間の関係で歌えない曲を抜かないといけなくなってるんですよ(笑)いつかワンマンでやりたいですよね。途中で休憩を挟んで映像を流してから、またライブに戻る感じで。
—— ワンマンとかだと二時間くらい?
三十五話くらい続けてノンストップで行きたいですね(笑)
—— 架空のアニメということですが、バックボーンとなるストーリーが先にあって歌が生まれたのですか?
バックボーンはありますよ。ある程度ストーリーがあって、それに合わせて歌を作ってます。でも時々、片想いしたりして、カード戦士は情緒不安定だって(吉田)豪さんに言われましたけど(笑)
——「天の悪」と戦ってるんですよね。
「天なのに悪なんだ?」っていう。天には良い神様と悪い神様がいて、戦ってるんですよ。
(撮影 神田茉結子)
—— 物語を作ることには興味があるんですか?
ストーリーを書いたりするのが好きですね。歌詞と似てませんか?
——「人魚姫」や「かぐや姫」をモチーフにしているからということもありますけど、小林先生の曲は、ストーリー性が強くて、おとぎ話みたいなところがありますね。
今、ちょうど「電子記号少女§」を題材にした「ふたりごと」という芝居をやっていて、その台本は全部自分で書き上げました。
——「電子記号少女§」も不思議な歌詞です。どういうところから着想されたんですか?
あれはパソコンをずっとやっていて、この電子たちは私たちのことを見ていて、ゲームとかもこのキャラクターとかが戦ったりしているけど、実は感情が生まれていて、死にたくないのに殺されたりしてるんだとしたら、すごい泣いてるんじゃないかとか思って書きました。
—— 共感能力が高いんですかね。ある人がいたら、どういう人か気になってしまうとか。
すごく考えます。電車に乗っている時も、車内にいる人のストーリーも勝手に考えるんですよ。この人は男の人に会いに行くけど実は二股をかけられて騙されていて、あとで振られるんだよ。かわいそうとか、自分の中でどんどん想像しちゃうんですよ。こんなに綺麗に着飾ってるけど、家の中はぐちゃぐちゃで。とか。一瞬で考えて、その後のことを想像しちゃうんですよ。
(撮影 神田茉結子)
鏡星 ゴッドタン 小林先生の今後
—— 鏡星は先生がメインのユニットを作ろうと思ったのですか?
私がセンターとか関係なく、歌を歌える大人のグループを作りたいと思ったんですよ。でもK&Mで大人のメンバーというと限られてるので、私が入らないと成り立たないなぁって思って入りました。
—— 鏡星では今後、大きな動きはありますか?
鏡星はこのままのペースでやっていこうかと思います。何かオファーがあれば出るという感じで。
—— 小林清美先生のソロでの音楽活動というのは考えてますか?
周りからは先生が歌って出て欲しいって言われるんですけど。私はこの子たちを前に出してあげたくてスクールを作ったので、前に出たいという気持ちはあまりなくて。自分が前に出たいなら、レコード会社で契約して出すのと変わらないじゃないですか。
—— 先生個人に対する注目も高まってきていると思います。先日は「ゴッドタン」にも出演しましたね。
あんなに反響があるなんて思わなかったです。あの後、Twitterに「え? レコーディングするんですか?」とか「楽器弾けるんですか?」って、リプライが来たんですよ(笑)
—— 本業がミュージシャンだって伝わってない可能性がありますね(笑)。出演する際には「曲を流してください」くらいは言っておいた方がいいと思います。
そうなんですよ。曲流さないと、ただの面白くて痛い人になっちゃうから。
—— まぁ、今はすぐにネットで検索するから、大丈夫だとは思うんですけど。
その時に、こんなにいい曲作ってるんだなぁと思ってもらえるなら、こういうキャラクターで出ちゃってもいいかなぁと思います。私、あの放送の後から家帰ってなくてメールチェックできてないから、どんなメールが来てるかわかんなくて、楽しみにしてます(笑)
—— バラエティ番組からのオファーは増えそうですね。
今後、そういうところに出てくださいって言われたら、出ても良いかなぁと思いました。
本当は自分は後ろにいて、例えばひかるちゃんならひかるちゃんが前に出れば良いと思ってるんですよ。
私は普通に喋ってるんですけど、みんなが面白いと言うので、前に出ることになって、今回(ゴッドタン)も結局、小林清美with鏡星になっちゃったんですよ。
それで話題をふられるから、つい喋るわけじゃないですか。でもこの子たち(鏡星の二人のこと)は「汚れ」にしたくない。でも、ああいう番組は、こういう風に話す方が楽しいからって思って、結局、そうなっちゃう。
—— テレビも含めて、今年は外からの仕事依頼が増えそうですね。
ありがたいですよね。楽曲依頼も今年に入ってから本当に多くて、追いついてないのが現状なんですけど。
—— 先生に注目が行くのは仕方ないので、先生を入り口にして、他の方に注目がいくような感じになったら面白いと思うんですよね。
がんばろっと(笑)。まぁ、私が出ることで、今までの曲が再注目されるなら、この子たちにとってもいいことだから。今年は大凶なので、自発的に動くことは控えようと思っているのですが、何か言われたら、断らないでやってみようと思います。
(撮影:神田茉結子)
Part3 に続く。
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