信岡さん家のサンタさん(子供編) シナリオ
(文末に解説があります)
(音楽)フェイドイン
ナレーション
こんにちわ。信岡ひかるです。
もうすぐクリスマスですね。
皆さんは、サンタクロースに会いたいと思ったことはありますか?
ひかるは子どもの頃、サンタさんを捕まえようとしたことがあります。
そしたら毎日がクリスマスになるんじゃないかなって思ったんです。
これは、そんなお茶目な頃のひかるのお話です。
(音楽)フェイドアウト
ナレーション「子供編」
ひかる「ねぇ、ママ。サンタさんってどんな人?」
ママ「人っていうか、妖、フェアリーかな? 赤い服を着て白いひげを生やしたおじさんよ。クリスマスになるとトナカイに乗って世界中の子供にプレゼントを届けるの」
ナレーション ひかるはサンタさんの姿を想像しました。よくわかんないけど、マジでかっこいいなぁと思いました。
ママ「ひかるはクリスマスプレゼント、何が欲しいのかな?」
ひかる「カード戦士飛弾せりなちゃんのお人形!」
ナレーション「カード戦士 飛弾せりなちゃん」は日曜の朝に放送されている幼女向け人気アニメです。
ママ「うーん。でもカード戦士、10人もいるからサンタさんも困ると思うな。ママの時は1人だったんだけどね」
ひかる「じゃあどうしようかな。えーと、えーと、あれ? どうしてママに言わないといけないの?」
ママ「そっそうね。きっとサンタさんはわかってるわね」
ナレ ママはあたふたしました。変なママ、とひかるは思いました。
クリスマスになりました。
ひかる「ママ。今日起きててもいい? ひかる、サンタさんに会いたい」
ママ「サンタさんは姿を見られると鶴になって飛んで行ってしまうの。
だから、プレゼントが欲しかったら大人しく寝てないとだめよ」
ナレーション それは違う話が混ざってるんじゃないかなぁと思いましたが、ひかるは黙ってました。
ひかるは思いました。今日はこっそり起きていて、サンタさんを捕まえよう。
そしたら毎日プレゼントがもらえるはず。
プレゼントをメルカリに売れば大金持ちになれる。
ひかるは生まれて初めて徹夜をしようと思いました。
でも、所詮は子ども。
ケーキとチキンを食べ過ぎたひかるはお腹いっぱい。
ベッドに入るとすぐに眠ってしまいました。
※
朝になりました。
ひかるはクリスマスツリーの横に吊るした靴下を見ました。
靴下の中には、お手紙がありました。
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Dear.ひかるちゃんへ。
サンタさんだよ。
今日はプレゼントを持ってきたけど、サンタさんを捕まえようとする悪い子にはプレゼントは渡せないよ。
鶴になって帰ります。
ってのは嘘だよん。
今日はちょっと魔がさしちゃったんだよね。
ひかるちゃんが良い子なのはサンタさんは知っているよ。
クリスマスツリーの裏を見てごらん。
ひかるちゃんの欲しいものがあります。
サンタさんより。
P.S メルカリに売っちゃダメだよ。
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ひかるはクリスマスツリーの裏に置いてあった箱を見つけました。
リボンをほどいて、包装用紙をビリビリと破ります。
ひかる「わぁー囲碁盤だ」
ナレーション それはひかるがずっと欲しがっていた囲碁盤でした。
ひかる「ありがとう。サンタさん。ひかる、プロの女流棋士になる」
ナレーション それから数年後、ひかるはプロを目指すのですが、それはまた、別の話。
ママ「ひかる〜。カード戦士飛弾せりなちゃんのアニメ始まるわよ〜」
ひかる「すぐ行くー」
音楽(フェイドアウト)
成馬零一による「子供編」の解説
「信岡さん家のサンタさん」は三幕構成となっていて、子ども時代、JK(女子高生)時代、母親時代の信岡ひかるの物語となっています。
構成としてはシンプルに、クリスマスプレゼントをもらう一夜の話で、それをコメディ色が強いドラマ仕立てにしてます。
子ども時代の話は、最初なので、できるだけシンプルにして、どういう話かの説明になってます。
クリスマスハートフルコメディと銘打ったのはコントというと「笑わせるもの」という敷居が上がり過ぎてしまうかと思ったからですね。ただ、メルカリネタとかは自分でも好きですね。
基本的にはアイドルのライブなので演じるひかるさんが可愛く見えればOKと思って書きました。初めての試みだったので、どうなるか不安だったのですが、一方で子供服を着てランドセルを背負ったひかるさんのビジュアルがあれば何とかなるかなぁとも思いました。
劇中の小ネタ、例えば「カード戦士飛弾せりなちゃん」という日曜の朝に放送されている幼女向けアニメで人数が年々増えているという話は、子どもが見ている架空のアニメを出したいと思っていたところ、飛弾さんがゲストに決まったので、使わせていただきました。本番ではこの後、飛弾さんのライブになり、「カード戦士 飛騨せりな」を続けざまに歌ったので、個人的にはうまくはまったかなぁと思います。
プレゼントの囲碁盤は昔、ひかるさんが子供のころに囲碁をやってたからです。シナリオを書く前に、ひかるさんにリーディングをして、子ども時代の話を聞いたりしながら話を膨らませていきました。その意味で極端にうその部分もあれば本人のプロフィールをなぞってるものもあるという虚実が入り混じったものとなってます。
脚本はほとんどそのままですが、音入れの際に、僕がやり過ぎた箇所が二箇所あってそれはボツになりました。それはサンタさんを捕まえようというナレーションと「サンタの手紙」のパートなんですが、そこにスローモーションのエフェクトをかけたらホラー映画みたいで怖いと言われたので、ボツにしました。
今聞いてもそのパートは個人的には爆笑できるのですが、確かに本編とはズレてるなと思います。自分だけの作品だったら、そこは残してたかもしれないですけど、あくまでひかるさんの劇だったので修正しました。
音源データはこちらから購入可能です。
https://nobuokahikaru.stores.jp/items/5a438d1292d75f19e10007af
(JK編に続く)
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