インディー系ローカルメディアの生きる道
ローカルメディア編集者のナリシゲ(@nari_104)です。
2019年2月に福岡にUターン。以降、フリーランスが地方都市でどう生き残るかを模索中です。
いわゆる「ローカルメディア」の中でも、私が運営しているWebメディア・キタキュースタイルは独立系、というかインディー系に分類されると思います。(そういう分類はないと思いますが)
親会社があるわけでもなく、マスメディアと関連が深いわけでもありません。行政の支援もなし。お金もなしw
Webメディアの運営にかかる費用は、自分の本業の収入の一部を充てています。現状、この活動を「ライフワーク」と位置付けることもあります。
そのような状況にもかかわらず、4年半にわたりローカルWebメディアの運営を続けている理由は以下の通りです。
自分でもようやるなと思います。
ただ、今後も運営を続けていくためにはお金が必要なので、事業化を急ピッチで進めています。
いつまでも別事業の売上を充て続けるのは健全ではありません。
「ローカルメディア」でどのように稼いでいくかはまた別の機会に。今回はWebメディアをどのように展開するか、という話が中心です。
キタキュースタイルの現状
北九州にも拠点を置いて約2年半が経過。
応援をしてくださる方は市内外ともに増えてきていると感じています。本当にありがとうございます。
エッセイ集発行のクラファンは2度とも成功。延べ200名以上の方に支援していただきました。
「ローカル限定のWebメディア」に価値と可能性を感じてくださっている事業者の方にお声がけいただく機会も増え、PR案件をいただくことも。
Uターンして3年足らず(うち大半がコロナ禍)の割には健闘しているように思います。
一方で、市内への浸透がまだまだ足りないと思うこともしばしば。
これは完全に自分の力不足です。いろんなものが足りない。
なので、まあ随分と軽く扱われるのねと思うことも少なくありません。
Uターンして3年足らず(うち大半がコロナ禍)だから仕方ないよね、と自分をなぐさめております。
北九州市で評価されやすいのは、「ものづくり」と「まちづくり」だと感じています。(触れることのできる)形にしないとダメ。人が集まれるスペースがないとダメ。元々「ものづくりの街」であることが関係しているのでしょう。
このような地域ですので、「Webメディアの運営」は、評価からはほど遠いところにいます。
(もっとも、そういうキャリアを積んでいる人がたぶんいないので、評価されてもちと困るのですが)
インディー系ローカルメディアの生きる道
前置きが長くなりました。
このような地域で、タイトルにある「インディー系ローカルメディアの生きる道」をずっと考えています。
生きる道①法人化
ひとつは「ローカルメディア」運営者の“ガワ”を整えること。
つまり「法人化」です。
現状、私が運営しているWebメディア・キタキュースタイルは、大半の人にとって「地方のフリーライターがひとりで、そして“好きで”ローカルメディアを運営している」ように見えているはず。
そこから脱却したい。
多くのライターさんに記事を書いてもらっているのに、見え方としては変わらず「1馬力」なんだと思います。ほぼ個人ブログと同じ。そこらでnote書いてる人と変わらない扱いです。
これ、単純に私の発信不足なんですよ。至急改善が必要です。
でもそれだけで「1馬力」問題が解決するように思えないんですよね。
そこで考えたのが「法人化」。
Webメディアを運営している主体が個人だと「ああ、ひとりで運営しているのかなあ」と思う方が多いでしょうが、法人だと組織で運営しているように見えるのではないでしょうか。
自分では、きちんと取材もしているし、それなりの執筆実績もあるので、「片手間にローカルメディアを運営している法人」よりはマシだと思っていたのですが、どうもそうではないようです。
やはり信頼度としては法人>>>個人。
きちんと取材する個人運営のメディアより、コタツ記事を書く法人のほうが評価されます。(あくまで例えです)
であれば、「法人化」に向かうしかありません。コタツ記事は書かないけど。
少なくとも、「地方のフリーライターがひとりで、そして“好きで”ローカルメディアを運営している」ようには見えなくなるでしょう。
生きる道②地域の人にローカルメディアの価値を感じてもらい、関わってもらう
しかし、現状の課題を「法人化」で全て解決できるかと言われれば、答えはたぶんNOです。
「ガワ」が整うにすぎませんし、こと「Webメディア運営」に関しては周囲からの評価がすぐに跳ね上がることはないでしょう。
なぜなら「ものづくり」でも「まちづくり」でもないから。
この評価軸を変えていく、という気の遠くなるような取り組みが必要かもしれません。
そのためにまず必要なのは、
「地域の人にローカルメディアの価値を感じてもらい、関わってもらうこと」
だと考えています。
コロナ禍も落ち着き、人と会いやすくなりました。
例えば、取材の数を増やしてメディアの認知度を上げていくという方法があります。私が一番やりたいのがこれ。取材をすると、その後応援してもらえる可能性がグッと上がります。
週に2人取材して、1年間で約100人。悪くない数字です。
これは今後、事業者さんのインタビューを強化することで実現する予定です。
上記の企画以外の記事執筆は、市内の実績あるライターさんに少しずつ任せたいと考えています。地域のライターさんの活動の場を増やしていきたいんですよね。自分は仕事を創る側に回るつもり。
あと、「公式ブロガー」制度も導入したいと考えています。こちらは、ライターさんに記事を執筆していただくのとは異なり、「北九州について書きたい人が書きたいタイミングで記事を書く」イメージ。月間数万PVのWebメディアをどうぞ使ってください、と。
なので原則無償とする予定だけど、しっかり記事を書ける人には仕事として書いてもらうことも検討したいですね。ここは優先度高め。
その他、TwitterやInstagram、Facebookを担当してくれる人など、運営に関わっていただく方を増やしていきたいと考えております。執筆や発信は苦手だけど応援したい人向けの「サポーター制度」の導入も。
ただあくまで
「地域の人にローカルメディアの価値を感じてもらい、関わってもらうこと」
が基本線です。
ここを守ることで、「ものづくり」でも「まちづくり」でもないものが、評価されるときが来ることを信じています。
このような考えなので、関わってくれる人誰でもWelcome!ではないのですが、1000人くらいの人に関わってもらえると、さすがに流れも変わってくるのかなと思います。北九州市民の約930人にひとり。
やることは決まっているのですが……
やることは具体的に決まっているのですが、なにぶんお金も時間もかかるものなのでどちらか一方から進める形になりそうです。
以前は①→②の順で実行するつもりでしたが、最近は②→①が現実的かなと考えております。でも“ガワ”もほしい。悩ましい問題です。
いただいたサポートはローカルWebメディア「キタキュースタイル」の取材費用に充てさせていただきます。