個別性の原則は体育にも必要

トレーニングには原理原則というものがあります。
その中でも「個別性の原則」というものがあります。これはどういうものかと言うと、身体は個々人によって別物であるため(年齢、身長、体重、性別、習熟度など)、トレーニングが皆同じではなく、個々の特性や状況に合わせてトレーニングプログラムを調整する必要があるという原則です。

小学校から高校まで体育という授業があります。集団行動や球技や水泳など様々なスポーツを体験することが出来る貴重な授業の一つです。マラソン大会や体力テストなどの苦しさも伴うものもあったりしますが...
ちなみに私が好きな体育の一つは、アメリカの短大時代に履修したクロスカントリースキー。ワイオミング州という大自然そして雪に覆われた山を巡るクロカンスキーはなかなか新鮮で、これぞ大自然ワイオミングという印象を付けさせてもらえました。

さて一方で、いろんなスポーツを体験できる、集団行動を学習できるという利点はあるものの、運動が得意でない子には嫌いな科目トップになる教科でもありますね。私自身も泳ぐのはダメダメで水泳の授業は嫌いでした。一方、社会人になってからと言うものの、気が向いたら友達とプールに泳ぎに行くということもあったり。だとすると、水泳が嫌いということではなかったのかなと思います。何が嫌いだったかと言うと、苦手な物を人前で公開することが嫌だったんだろうかと思います。
マラソン大会もそうだったんだと思います。自分のペースでジョギングするのは楽しいのですが、自分の苦手な分野で得意としている他者と勝手に競争させられている仕組みが嫌だったのかもしれません。
この点からすると、前述のクロスカントリースキーは自分のペースで山を巡れたというのが楽しかったのが分かります。

生徒の中には運動が得意な子・不得意な子、球技は得意だけど水泳が苦手、ボールを直接触れる競技(バスケなど)は得意だけど間に道具が介入すると苦手(卓球など)、いろいろな生徒がいますね。まぁスポーツを体験するという目的では、とりあえず体験するということが重要かなと思います。

一方、体力や健康増進を目的としたトレーニングを体育授業のレベルで行う場合、個別性の原則ってかなり重要なんじゃないかなーと思います。これを無視すると、苦手な子の運動嫌いが加速しそうな気がするんです。


「じゃあ具体的にどうするの?」
って言われると詳細な具体案は何にも無いんですが、高校生の授業で「トレーニング(ちょっと栄養含む)」みたいなものを一学期や年間を通して行えたら面白そうだなと思ってます。
一番初めに体力測定、その後はどの体力要素にアプローチしていくかを決めて、トレーニング方法論などを学びながら実践していく。最後はまた体力測定で進捗状況を確認するみたいな。 自分軸で目標設定や現状把握を行い、その解決策を模索そして実行、最後は評価というサイクルを体験を通して学習できる。そして何よりも、自分のペースでトレーニングを進行していけるので、その後の人生に必要な運動習慣や知識を習得できうるのはかなりの社会貢献なのかなと思います。


そんなことを感じた朝でした。
ちなみに体育の集団行動や一律で同じことを実践することは全く否定していません。そういった授業に加えて個別性に基づいたトレーニングの授業があったらおもしろいなーと思うだけです。



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