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国立近代美術館(東京都千代田区・竹橋駅 眠り展)

JR東京駅を出て皇居方面へ向かう。振り向けば辰野金吾の夢の跡である。

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日本銀行など様々な近代建築を手がけた辰野金吾。金吾自体は知らないけど好きな作家が建築家として辰野金吾賞を3回も受賞していたのもあって勝手に親近感を覚えている。そこから皇居をぐるりと歩いて竹橋駅のそばにある国立近代美術館へ。実は初めて訪れる。

美術館の受付でぐるっとパスを購入しその場で即使用。今回の企画展は「眠り展」と称し近現代の作家による「眠り」をテーマにした作品群を展示。入口すぐにはルーベンス、クールベといった西洋画家の作品を展示。ゴヤの夢魔っぽいのが好み。

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軽くジャブを交わして次にはルドンのシュールな絵がお出迎え。はたして眠りと関係あるのか、どうやら夢に関係する模様。ここで初めて知ったのが瑛九という作家の前衛的な作品。中国あたりの人かと思ったら日本人だった。エルンストの動物だか植物だか分からない奇妙なデザインの作品たちを抜ければ、楢橋朝子による海の写真。ちょうど海に潜っている目線を切り取っていて、子供の頃にいった海水浴を思い出す。

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次のフロアーでは荒川修作による死を想起させる立体作品、塩田千春による映像、内藤礼による小さな枕など、眠りと死が密接であることをアプローチさせる作品が並ぶ。なぜかここで森村泰昌のコラージュ的作品(三島由紀夫の演説のパロディ)がある。これも死に関することなのだろうか。広いぜくくりが。河口龍夫のインスタレーション(多種多様の種子や土などをアルミニウムの管に詰め込んだという作品)も興味深い。これは目覚めへのアプローチらしい。

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河原温で固められているフロアーもある。奈良原一高と交流があったことは知らなかった。その日の起床時間だけを記して郵送するというI Got Upシリーズなど面白い。一見シンプルに見えるDate Printingシリーズなんかも印象的。朝イチというのもあって人がほとんどいなくて独占状態である。やっぱり美術館は早朝に行くに限る。

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企画展を出て次は常設展へ。川端龍子の巨大な日本画とか、誰もいなくていいんですか、と戸惑うほど。横山大観、岸田劉生、パウル・クレーその他たくさん。3フロアーにわたるほどの多数の所蔵品をじっくりと見る事ができる。トイレはウォシュレット式。

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