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お札と切手の博物館(東京都北区・王子駅)
王子といえば国立印刷局があることでも有名で、駅のそばにはお札や官報などを製造している東京工場(時節柄いまは休止中だけれど、東京工場では平日に工場見学も行なっているらしい。紙幣の製造を間近で見られるのは貴重。ぜひともあやかりたい)と、切手や諸証券類を製造している王子工場がある。博物館は王子工場に隣接している。なかなか興味深い。展示室は2階建て。
1階の展示室では複数製造が必要かつ、偽造防止の必要なお札をどうやって作るのかという製造方法を近代以前(複雑な絵柄での木版から金属版への直刻凹版、機械彫刻という技法)から近代以降(凹版印刷の発展、地紋印刷、グラビア印刷という技法)に至るまでを現物を交えながら紹介している。また24年度に発行される予定の新券のデザインの紹介もある。
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日本最古の近代的印刷機としてスタンホープ印刷機が展示されている。しれっと重要文化財。
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また体験コーナーとして偽造防止の技術を実際に確かめることができる。光の加減や透かし技術といった多くの技術が尽くされていることがわかる。
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階段を上がって2階ではまず世界各国のお札の紹介がある。世界で最初に使われたお札(中国の北宋時代)や西洋で最初のお札である手形、銀行券(通常で使用されるお札)と政府紙幣(財政補填などのために発行したお札)の違いなども説明されている。
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日本では古来より銅銭や為替手形が使われてきたが、戦国時代末期へ差し掛かる頃に日本で最初のお札である「山田羽書」が流通している。江戸時代に入れば金銀銅貨が発行されているが、紙では藩札が主に使用された。
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やがて近代化する中でお札が統一されることになる。お札に肖像画が用いられるようになるが、ほとんどが神話上の人物だったということもあって戦後の連合国からは見直しを要請され、聖徳太子を残して全て刷新(聖徳太子だけは押し切った)、今のような実在の人物が用いられるようになったという。最初は二宮尊徳。そこから政府の要人だった人物が増え、そのあとは現在のように作家や実業家へとシフトして行ったらしい。
世界のユニークな紙幣の紹介もある。驚異的なインフレを引き起こしたハンガリーで発行されたのが10垓ペンゴ札。万、億、兆、京のさらに上の桁である。発行しようとする方もどうかしている。
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2階のもう半分では切手の紹介。切手の誕生(最初の切手は19世紀半ばイギリスの「ペニー・ブラック」、日本では19世紀後半の「竜文切手」)から発行技術、記念切手など設立の経緯を説明している。変わった切手の紹介もある。中でもレコードプレーヤーにかけると実際に音が出るスイスのレコード切手や世界最大の切手として縦24×横15センチのブラジルのワールドカップ記念切手、中にはマスク製の切手など時勢を意識した切手もあることに驚く。トイレは多目的トイレでウォシュレット式。
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