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秩父宮記念ギャラリー(東京都新宿区・国立競技場駅)

2021年に開催されたオリンピックの象徴ともいえる新国立競技場。この敷地の中に佇む秩父宮記念ギャラリーは、日本のスポーツ振興に尽力したという皇族の秩父宮親王を記念して作られたギャラリーである。なお、秩父宮の名前はここから歩いて5分ほど離れた場所にある秩父宮ラグビー場にも残されている。

https://www.jpnsport.go.jp/muse/tabid/312/Default.aspx?ItemId=180

新国立競技場のが建設される前にかつてこの地にあった旧国立競技場こと霞ヶ丘競技場利騎乗競技場の中には秩父宮スポーツ博物館があったそうで、博物館だった頃はスポーツ全般に関する収蔵品の展示がされていたという。ところがいろいろなきな臭い事情を経てスポーツ博物館は休館の憂き目にあい、大幅に規模を縮小した記念ギャラリーとして新国立競技場にオープンしたという歴史を持っている。膨大な収蔵品は現在まだ宙ぶらりんの状態で別の地に保管されているというのがまた闇深い。

ギャラリーはコンパクト

昭和天皇の弟だった秩父宮親王は、大正天皇の4人の息子のうち最も活発で、物静かな兄と諍いごとを起こしたこともあったという。戦時中は軍人として活動する中やや軍国主義に傾倒しかかったこともあったそうで、その辺りも兄の昭和天皇から嗜められたりしている。戦時中に肺結核を発病して療養、若い頃は登山やボートなど行動することが多かったが療養してからは観戦が中心でスポーツをバックアップするような人生だったようである。

ぼんやり浮かぶ紋章

秩父宮親王の銅像が中央に構えるギャラリー内では秩父宮の生前におけるスポーツへの貢献の他、新国立競技場のある神宮外苑エリアの歴史についてを紹介している。ちなみに秩父宮親王の銅像は例によって彫刻家の朝倉文夫が手がけている。こんなところにも文夫。またドアーには秩父宮家の紋章がぼんやり浮かび上がっているあたり皇族に関連するミュージアム然としている。展示室内にはスポーツ競技に使われた優勝杯や優勝旗が展示されている。トイレはなし。

左は秩父宮杯のカップ

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