見出し画像

旧新橋停車場(東京都港区・汐留駅 南正時展)

国内の鉄道は最初、新橋〜横浜間の開通から始まっている。かつての遺構がある場所に駅舎を復元したのが旧新橋停車場である。無料で入れるため鉄道ファンならずともちょっとした気分転換に気軽に訪れることができる。

入り口からエレベータか螺旋階段を上って2階が企画展の展示室となっている。基本的に館内は撮影できないのだけれど、今回は企画展として南正時による鉄道写真を展示しており、撮影スポットを絞っての撮影が可能。

南正時は鉄道写真を中心に活躍している現役のカメラマンで、撮り鉄の人たちが一目おくようなインパクトのある蒸気機関車の写真を多く撮っている。大判一枚刷りの写真だけでなく、いろいろな媒体でも写真を提供しており、それらの一部がここでも展示されている。

個人的に注目すべきは、子供向けにつくられたケイブンシャの「鉄道大百科」シリーズ。ケイブンシャは怪獣百科やファミコンゲームの攻略本などで子供向けの本を多く手がけていた出版社で、南正時は鉄道分野の本で監修を行っている。出版社自体がすでに解体されてしまったためこういった子供向け百科みたいなものは店頭で見かけることは無くなってしまった。今は古本屋などで目にするくらいだろうか。カラーリングと紙質がノスタルジックな感じを思い起こさせる。

1階には出土された旧駅舎の外壁や基礎石の遺構を観ることができるほか、かつての町並みを写した写真や古地図、当時に使われていたであろう陶磁器、改札鋏などが展示されている。トイレはウォシュレット式。

会館を出て裏側に回れば再現されたプラットホームや車輪止めの遺構などもある。普段から見学者が多いわけではないけれど、一定のファン層がある建築物。なお、スタンプを押せば東京ステーションギャラリーが割引になるサービスも行っている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?