見出し画像

しょうけい館(東京都千代田区・九段下駅)

九段下駅からすぐ、内堀通りと靖国通りの交差点を皇居方面へ向かって最初の横道に入ったところにあるのがしょうけい館。戦傷病者史料館という名称もある。その名の通り戦争で傷や病気となった傷病者の記録を残すという目的で作られた史料館。

1階は主に企画展をおこなっている。今回の企画展では戦中・戦後を通して傷病を負った戦傷病者たちの書籍や手記、映像記録を紹介している。日本で起きた戦争はすでに遠く、戦後も75年を過ぎて当時のことを知る人も少なくなってしまった。残された資料から彼らの声に耳を傾けて戦争の悲惨さを知ることができるだけまだ良かったかもしれない。戦時中に銃弾を頭部に受けて破れた帽子、大腿部を切断してその後を支えた義足、手榴弾や弾丸の破片、ハンセン病を発症してから二度と故郷に帰れなかった復員兵の証言などのほか、従軍で左腕を損傷した水木しげるの書籍も紹介されている。映像シアターもあり、時間ごとに戦傷病者の映像記録が紹介されている。

ひっそりとあるので知られていないのが惜しい

2階は常設展示室となっている。戦争の記録を、特に従軍した兵士の目線から紹介しているのが興味深い。ほかの博物館の展示では割と俯瞰で説明していたり、あるいは国内における被災者の状況や遺族の視点からの比率が高かったのに対して、こちらでは戦地に従軍したリアルな声が残されている。圧巻なのは野戦病院のジオラマ。洞窟の中に横たわる戦傷病者。暴れる患者を抑えつけながら手術する医療兵。生の声も。ここはトラウマ級に記憶に残る。

見学後に受ける感銘はヘヴィ。あまり有名ではない施設だけれど、靖国神社や昭和館からも近いので生の声に触れに訪れるべきかもしれない。トイレは和式とウォシュレット式。おそらく年配の方も多く訪れるからなのだろう。

2階の展示もまた衝撃的

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?