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武相荘(東京都町田市・鶴川駅)

ぶあいそう、というユニークな名前のついている武相荘白洲次郎白州正子の夫妻が住んでいた場所。実業家であり政府の貿易庁長官として活動した白洲次郎と随筆家として多くの作品を残した白州正子。強烈な個性の持ち主である二人が終生に渡り暮らしていた森に囲まれている武相荘は現在は一般に公開されている。

入口すぐにあるカフェでは白洲次郎が若い頃に乗り回していたアメリカ車1916年型ペイジSix-38が展示されている。他にもベントレーを乗り回していたそうで、典型的な破天荒なお坊っちゃまだったことが窺える。アメリカナイズされた感覚はのちに外交に関わる際にも大いなる力になったに違いない。

白洲次郎の趣味フルスロットル

本館と隣接する形でレストランが開かれている。こちらではカレーライス、親子丼などのほかケーキなどもいただける。せっかくここまで来たなら、と心が動いたものの、なんと相当な待ち時間。あまり時間の余裕もとれないので断念。その隣には見学できる納屋「PLAY FAST」がある。入りづらい雰囲気だけれど「どうぞご自由にお入りください」という表示もあるのでそれを信じて階段を上りドアーを開けば、そこはオシャレなラウンジ。白洲次郎の趣味全開というところだろうか。正直なところ白洲次郎の功績をあまり知らないので彼の人生を追うことはできていないのだけれど、この施設を見るだけでも価値があるというもの。

 PLAY FAST内部

レストランよりも奥にあるのが茅葺き屋根でできた本館で、こちらからは有料エリア。内部は撮影できない。靴の上からビニールを被せて入るという珍しいスタイル。東京では日本民藝館で経験して以来のこと。もともと白州夫妻が住む前から古民家だったこともあり、建物の老朽化を防ぐためだろうか。夫妻はとにかく「無駄のある家」であることを楽しんだという。最初の三和土がある部屋には彼らの収集した民芸品などが展示されている。また白洲次郎が外交官だった時代の記録なども紹介されている。

こちらが本館

奥には白州正子の書斎がある。六畳の和室は本棚で埋まっており、その六畳から突き出た板の間が一間あり、そちらが白州正子の仕事部屋だったという。板の間も本棚で埋まっており、残った1メートル半四方が仕事場。本棚には南方熊楠や折口信夫らの本が並んでいる。
順路をそのまま進めば、次は囲炉裏のある部屋。こちらでは白州正子が蒐集していたガラス器を中心に展示している。向かい合った十畳の和室では藍色の染物が展示されており、額に福澤諭吉の「束縛化翁是開明」という揮毫が飾られている。

散策にはもってこいの竹林である

本館を出れば武相荘の敷地を散策することもできる。竹林なんかもあって風流である。トイレは個室ウォシュレット式。ただし屋外にあるので夏場は虫が入ってくる覚悟は必要。

駐車場側の入口

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