見出し画像

アクセサリーミュージアム(東京都目黒区・祐天寺駅 いけないのファッション展)

祐天寺の西口の方面へ出て、住宅街のある道をしばらく進むとひっそりと佇んでいるのがアクセサリーミュージアム。駅前から特に案内が出ているわけではないので(たまに電柱に標識が出ているけれどあまりヒントにならない)、そこにたどり着くまでは少し迷ったりする。もう何度か訪れているので流石に迷うことはなくなったけれど、毎回ユニークな展示をしているミュージアムである。

今回の企画展は「いけないのファッション展」として、毒で光るガラスや生き物たちの毛皮といった、現在ではコンプライアンス案件へ完全にまっしぐらという個性的なファッションをメインにした展覧会を開催している。企画展は主に3階で開催され、2階と1階の常設展でもポイントごとに紹介しているというスタイルである。

企画展示室1の動物の毛皮たち

やはりインパクトが強いのは動物の毛皮。人類が手にした最も古い防寒着である動物。それこそ中身を除いた外側をそのまま毛皮として利用しているという生々しさ全開の動物の毛皮が多くあり、現在では動物愛護の観点からも推奨されないものが、かつては防寒の意図から発展して華美な装飾品として愛用されていたことが窺える。ちなみに代用として使用されているフェイクファーもまた、材料がアクリルやポリエステルなど分解されにくい化学繊維であることから環境面での憂慮がされている。

フェイクファーも環境に悪影響だという

また当時はわからなかったけれど、よく調べてみたら人体への影響がなされる毒を持った素材で使用されていたものなどもある。砒素が使用されていた化粧品、吸い込まれるような美しい光を放つウランを原材料としたアクセサリーなど、知識がなければそりゃ使うよなあ、というのが純粋な感想。何もわからずに健康被害を受けた人も多かったのだろうか。

企画展示室2は毒物とか

常設展では2階から年代を追うような形でヴィクトリアン、アールヌーボー、アールデコ、オートクチュール、プレタポルテと各部屋をめぐって回る。個人的に好みのトイレ(ウォシュレット式)も、手すりが新たに設置されている。宝石ではなくてアクセサリーというのが特徴で、細部までこだわった精緻な装飾は工芸品でもありもはや芸術。大きな展示の入れ替えはないものの、ところどころで新しくお目見えの品々がありいつ見ても新鮮だったりする。

常設展で最も好きなのはトリファリ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?