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講道館柔道資料館(東京都文京区・春日駅)

柔道における総本山である講道館。日本のみならず世界に伝播した柔道を知らしめた講道館、柔道人口は日本よりも南米や西欧の方が多かったりするほどの世界的な競技となっている。その講道館本部があるのが東京ドームと隣接した文京の地。柔道場がある建物の中に資料館が存在している。

展示室は手前が資料館として講道館の歴史、奥には講道館でその実力や業績から殿堂入りとなった人物を顕彰した殿堂資料館がある。道場に通っていなくても展示室を拝見することは可能。

最強の男

講道館の創始者である嘉納治五郎、学習院の講師として嘉納塾を開いていた中で講道館を設立したのが若干二十二歳の頃。設立の際には講道館の扁額を学習院初代院長の立花種恭が揮毫を寄せている。もともとは天神真楊流・起倒流といった日本古来の武術である柔術から発展させた柔道は、投げ技、固め技、当て技の三つを基点にしており、嘉納治五郎はただ強いだけではなく柔道への研究にも熱心で、レスリングの規定を参考にしたりもしている。下富坂で百七畳の道場を開いたのをきっかけに着実に入門者を増やして行き、水道橋そして現在の春日町に至って五百十畳という広大な道場へと発展した。嘉納治五郎の父親が親しくしていた関係で勝海舟とも面識があり、館内には勝海舟から贈られた「無心而入自然之妙」「無為而窮変化之神」という二つの書が展示されている。また、勝海舟による「講道館」の揮毫も残されている。

精力善用

隣接する柔道殿堂では、柔道の発展に特に功績のあった人物の業績を讃える写真が飾られている。『姿三四郎』のモデルとされる西郷四郎、アメリカのルーズベルト大統領に柔道を教えた山下義韶をはじめ、生涯無敗と言われた三船久蔵、戦死した広瀬武夫や湯浅竹次郎などの人物が残されている。さらに奥にある市販室では嘉納治五郎が使用していた稽古着(何度も修繕された跡がある)や柔道の理念を示す「精力善用」「自他共栄」の書が残されている。

柔よく剛を制す

世界へと羽ばたき、現在ではオリンピックの競技ともなった柔道。その歴史を追いながら嘉納治五郎や門下生の血と汗の結晶を見届けてみたい。トイレは和式と洋式。

世界のJUDOである

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