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女子美術大学歴史資料展示室/ガレリアニケ(東京都杉並区・東高円寺駅)

東京都内にある美術大学の中でも特にその活動が目覚ましい五つの大学を称して東京五美大と呼んでいる。これまでにそのうち四つの大学を攻略し、最後に残った一つがこの女子美術大学。相模原キャンパスと杉並キャンパスにそれぞれギャラリーがあり、時期によって展覧会を開催している。今まで展覧会のタイミングが合わずに行けずじまいだったのが、ここに来てようやくその機会を得て杉並キャンパスへ満を持して訪問。

女子美術大学の杉並キャンパスには歴史資料展示室とギャラリーであるガレリアニケという二つの展示室があり、両方とも1号館に設けられている。1号館の入り口するに構えるのはミロのヴィーナス像。初代ヴィーナス像は女子美のシンボルとして長年に渡り学校を守っていたが後者が火災に遭った際に焼失。その10年後に二代目として復活した新たな女子美のシンボルとも言える。また広場にはサモトラケのニケ像も建てられている。

ヴィーナスでかい

女子美術大学には三人の人物が深く関わっている。すなわち設立者である横井玉子と藤田文蔵、初代校主である佐藤志津という人物で、横井玉子は幕末に活躍した横井小楠の甥の夫人、佐藤志津は順天堂の創始者である佐藤泰然の養子の娘という、ビッグネームの縁故者であるのが興味深い。ちなみに横井玉子が考案した「女子改良服」は当初の女子美の制服だった。また校章は藤田文蔵のデザインによるものである。展示室では校歌も流れており、こちらの作詩は佐藤志津の夫である佐藤進によるもの。卒業生には画家の三岸節子もいる。

右手、歴史資料展示室への通路で卒業生たちの経歴が紹介される

ガレリアニケの方では収蔵作品の展示を行っている。かつて女子美で教鞭を執り学生の指導を行いながら自らもアーティストとして活躍してきた教員から寄贈された作品を紹介している。特にここで指導を受けていた学生にとっては馴染みのある教員がどんな作品を作っていたのかを知る機会でもあるかもしれない。油彩に彫刻、リトグラフやインスタレーションまで多岐にわたる作品群は当然ながらクオリティが高く生徒でなくても楽しめる。トイレはウォシュレット式。

左手、収蔵品展示室への通路は歴代の企画展ポスター


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