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旧新橋停車場&共同通信社ニュースアート(東京都港区・汐留駅)

・旧新橋停車場
旧新橋停車場では2022年が鉄道開設150周年にあたることから、記念展示として鉄道歴史展示室で鉄道の歴史を紹介している。

明治に入り近代化を推し進める日本において鉄道を普及させる必要性が生じた。時の大蔵省に勤務していた井上勝は、伊藤博文や大隈重信らと共に鉄道の導入を推進、イギリス人の技師エドモンド・モレルを中心として路線を敷設する事業を展開することになる。最初の区間となった横浜駅(現在の櫻木町駅)と新橋駅はアメリカ人の技師リチャード・ブリジェンスによって建設された。日本最初の鉄道は外国人技師の技術を借りながら出来上がったわけである。ちなみに井上勝はその功績から日本の鉄道の父と呼ばれ、のちに鉄道会社副社長の小野義眞と三菱の岩崎弥之助と共に「小岩井農場」を作っている。小岩井は小野、岩崎、井上のそれぞれの名字をとったもの。こんなところにも岩崎家である。

かつての駅舎を再現した建物である

トイレはウォシュレット式。展示室自体は建物に入った左側の棟、2階と1階の一角のみで外から見た広さに比べるとかなりコンパクト。けれどトイレのある建物右側の棟も内装を楽しんでみるのも良いかもしれない。この日は右側の階段を上った2階で落語のイベントが行われていた。それと左右いずれの棟にも入らずに真ん中のガラス張りを覗いてみるとレストランのような内部が見られる。現在は営業していない様子。もっと有効活用できないものだろうか。

いつか入ってみたい内部

・共同通信社ニュースアート(東京都港区・汐留駅)
港区にあるミュージアム施設の一つとして共同通信社の社内にあるギャラリーが開放されている。日本における二大通信社の片方である共同通信社。新聞社とは違い独自の媒体を持たない通信社は全国に記者を派遣して情報を収集し、各メディアに情報を提供しているという業務形態をとっている。そのため社員の大半が記者であり、ある意味で特殊な会社とも言えるかもしれない。競合の時事通信社と同様に日本のメディアにおける多大な影響力をもった会社である。

正面玄関からエスカレータで2階へ上るとまずはパネル展示で共同通信社と報道の関係を紹介しているニュースアートがある。報道に欠かせないカメラや、記事を送るための伝送機などが展示されているほか、当時は伝書鳩が使われていたという。変わったところではパンチャーが専用機で紙テープに穴を開けてその紙テープを伝送することでより詳細な記事をやりとりしたという漢テレシステム装置がある。

ニュースアートはパネルと現物の展示

螺旋階段を上った3階は、時期によって展示内容が入れ替えられるギャラリーウォークという展示スペースになっている。今回は写真グループによる展示。モノクロからカラー、人物から風景までさまざまな作風の作品が展示されている。トイレはウォシュレット式。

螺旋階段を上った3階がギャラリーウォーク パネルごとに写真が展示されている

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