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白根記念渋谷区郷土博物館/文学館(東京都渋谷区・渋谷駅)

渋谷区の郷土博物館としての機能を持っている白根記念渋谷区郷土博物館/文学館は、その名の通り文学館も兼ねた施設である。こちらのミュージアムに訪れるのも久しぶり。すぐ近くには皇族の常陸宮が邸宅として使用している常盤松御用邸があり、普段は警官が点在しているのだけれど今回はなぜかその姿もなく意外。

入口からすぐ正面では、渋谷区の象徴とも言える日本で最も有名な犬であるハチ公の写真がお出迎え。ちょうどハチ公の生誕から100年を迎えるにあたって1階の企画展示室ではハチ公の生涯についてを紹介。期間限定で昭和33年に製作された白黒16ミリ映画の『ハチ公物語』が特別上映されたこともあってか、郷土博物館としては考えられないほどのかなりの見学者で賑わっている。

住宅街にひっそりと建つ博物館

渋谷の松濤に住む上野英三郎博士のもとで飼われていたハチ公は、仕事帰りの上野を渋谷駅でよく出迎えていた。上野の死後は不幸あって松濤の家を手放してしまった家族の配慮で他の家を転々としたものの、その後も渋谷駅でもう会えない主人の帰りを待ち続けた姿を新聞に採り上げられたことから忠犬として愛されるようになり、生前から銅像が建てられたのだという。安藤照によって造られた初代の銅像は戦時中に金属として供出されてしまい、戦後に息子の安藤士が父の作品を溶かしてでも二代目として造ったものが現在の渋谷駅にあるハチ公像にあたる。

入口ではハチ公がお出迎え

常設展は2階が郷土博物館としての常設展示室、地下階が文学館としての常設展示室になっている。郷土博物館の方ではお馴染みの土器や石棒、板碑もある他、ナウマンゾウの化石や昔この地域が大名屋敷だったことを伝える遺構が紹介されている。文学館の方は渋谷区ゆかりの文士たちを住んでいた時系列に沿って紹介している。注目なのは奥野健男の書斎が残されているところだろうか。トイレはウォシュレット式。

郷土博物館らしからぬ渋谷・原宿のファッション展示


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